大事な予定の前に風邪を引いてしまった…
仕事の会議中に咳や鼻水が止まらない…
普段の体調管理が重要とは分かっていても、体調を崩してしまったという方は多いのではないでしょうか。さらに最近は感染症の流行により、健康に対する関心はどんどん高まっています。
手洗いうがい、こまめな消毒だけでなく、体の内側からケアするために運動習慣や食事を見直すためのトレンドがありますが、中でも重視されるのが「免疫力」。
そしてこの免疫力には、腸の働きが深く関わっています。
免疫力=外部の敵から身を守る力
「免疫力」という言葉は聞いたことがあるものの、その意味を知らないという方は意外と多いかもしれません。
最近の感染症拡大時においても、「免疫力の強い若者は重症化しにくい」などの表現が良く聞かれました。
そんな免疫力とは体外から侵入してきたウィルスや細菌、体内で生まれたがん細胞などから身体を守る力のことです。具体的には、外部からの侵入や発生を監視・抵抗・排除してくれるために、免疫細胞と呼ばれるものが働いてくれています。
例えばウイルスが侵入しても、この免疫細胞によって排除できれば発症せずに済みます。また、たとえ発病したとしてもウイルスを弱らせることで、症状が重症化することなく快方へ向かうでしょう。
もし人間の身体にこの機能がなければ、頻繁に病気を患ってしまい、命の危険にさらされる可能性もあるのです。
免疫力は成長と共に少しずつ高まっていきますが、いつまでも高い状態を維持できません。成人した頃から、少しずつ低下していってしまいます。そのため、健康を維持するには、できるだけ免疫力の低下を防ぐよう対策を講じることが重要です。
免疫力を高める・維持するために重要な役割を担っているのが、免疫細胞の7割が存在する「腸」です。
参考:「腸活」で風邪に負けない体づくり!おすすめな理由と実践方法
免疫力を高めるための方法
免疫力を高めて維持するために、ここでは4つの方法をご紹介します。いずれも生活習慣の見直しなどから取り組めますので、ぜひ実践してみてください。
1)腸内細菌の種類を増やす
腸内には約1,000種もの最近が存在すると言われますが、その種類は人によってさまざまです。AuBの研究でも一般人とアスリートではその種類が異なるほか、アスリート内でも競技によって違いがあることが分かっています。免疫力を高めるには、腸内細菌の種類を増やして多様化させましょう。そのためには食生活を見直すほか、サプリメントの活用も一つの方法です。
2)腸内細菌の数を増やす
いくら種類が多くても、腸内細菌そのものの数が少なければウィルスや細菌に抵抗し切れません。そのため、腸内細菌の数を増やすことも免疫力アップには不可欠です。次で取り上げるような食品を、積極的に摂取しましょう。
3)腸内細菌が増えやすい食品を摂取する
腸内細菌を増やすには、バランス調整菌(善玉菌)の餌となる食品を多く取りましょう。具体的には野菜や豆類、果物類、穀類など。また、納豆やチーズなどの発酵食品も乳酸菌などの餌になります。
4)腸内細菌を弱らせる食品の摂取を避ける
バランス撹乱菌 (悪玉菌)は腸内細菌を弱らせ、腸内環境を悪化させてしまいます。そのため、その餌となるものは摂取し過ぎないようにしましょう。具体的には、タンパク質や脂肪の多い食品がこれに当たります。
参考:腸内細菌の多様性を上げるためのおすすめ腸活食材総まとめ【菌を摂って育てよう】
新型コロナウイルスと腸内細菌の関係
新型コロナウイルスについては各方面で研究が行われており、腸内細菌との関りについても論じられ始めました。例えばコロナで重篤化するヒトの特徴は、腸内細菌の多様性が低い人たちと同じであること。また、腸内細菌のメカニズムがコロナと腸の相互作用に寄与している可能性が考えられるほか、適度なカロリーや食物繊維、多様性のある食事が重症度を緩和するうえで論理的なアプローチであるなどという見解が述べられています。
さらに、実際にコロナ患者の腸内細菌叢を分析した結果から、短鎖脂肪酸が重症化を緩和する可能性があると論じるケースも。そして、腸内細菌叢を改善することで重症度を下げる可能性があると結論づけた研究結果も見られます。こうしたことからも、腸内環境の改善はコロナ禍において健康を維持するためにも有効な手段と言えそうです。
まとめ
いつも元気に過ごし、大事な場面でも体調万全で臨むためにも、日ごろから免疫力を高めておくことは重要です。食習慣を見直すだけでも腸内細菌の多様性アップを促し、免疫力を高めていくことができます。
ソーシャルディスタンスの確保や手洗いうがいなどの感染対策、あるいはマスク着用などは、もちろん感染しない・させないために有効な手段です。しかし健康な日々を送り続けるためには、腸内環境の改善から免疫力を適切な状態へと向上させ、ウィルスや細菌に負けない身体を手に入れましょう。