甘みがぎゅっと凝縮された味と手軽さで、子供からお年寄りまであらゆる年代に好まれるバナナ。美味しさだけでなく、体に良い栄養素を多く含んでいるため風邪の時やスポーツ前後のエネルギー補給にもおすすめなフルーツです。朝食のデザートやおやつなど、毎日のように食べている人も多いでしょう。そんな栄養素豊富なバナナは、腸活にもおすすめです。

そこで、バナナの栄養素と腸活におすすめな理由や健康・腸活の効果をより高める食べ方について解説します。

バナナに含まれる栄養素とは?

バナナに含まれる栄養素とは?

バナナのおいしさの理由は、何といっても疲れた体を癒やす甘さにあります。加えて、ねっとりとした食感と、食べ応えも魅力のひとつ。食欲がないときや時間がないときでもさっと食べられて、しっかりおなかを満たしてくれるのもうれしいですよね。

バナナはただおいしいだけでなく、栄養素もたっぷり含んでいます。中でも多い栄養素が、下記の3つです。

①カリウム:塩分の調整に役立つ

①カリウム:塩分の調整に役立つ

カリウムには、ナトリウムを体の外に排出する働きがあり、食事からとった塩分を調整するのに役立ちます。不足すると食欲不振や脱力感などの体調不良を引き起こすため、食事からしっかり摂取することが大切です。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、カリウムの摂取量は男性で3,000mg/日、女性で2,600mg/日とされています。(*1)

果物にはカリウムが多く含まれていますが、特にバナナはカリウムの含有量が多く、一般的なサイズのみかん1個(130g)が170mgであるのに対して、バナナは1本(120〜130g)で470mgのカリウムをとることができます。

②葉酸:妊婦さんには重要な栄養素

②葉酸:妊婦さんには重要な栄養素

葉酸はビタミンB群のひとつで、野菜や果物に多く含まれる栄養素です。葉酸は、たんぱく質の合成や、細胞増殖に必要なDNAの合成に深く関わり、特に胎児の成長に影響することから、妊娠初期の妊婦さんにとって重要な栄養素として知られています。

③ビタミンB群:糖質や脂質の代謝などに役立つ

③ビタミンB群:糖質や脂質の代謝などに役立つ

ビタミンB群にはB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチンのほか、前出の葉酸も含まれます。これらのビタミンは、ナイアシンを除いて体内では作ることができないため、食事からしっかり摂取する必要があります。

<ビタミンB群の主な働き>※葉酸以外

・B1 …糖質の代謝など

・B2…エネルギー代謝、皮膚や粘膜の保護など

・B6 …アミノ酸代謝、皮膚・粘膜の保護など

・B12…造血作用(赤血球の形成)、アミノ酸代謝

・ナイアシン…皮膚や粘膜の健康維持

・パントテン酸…糖質・脂質・たんぱく質の代謝

・ビオチン…皮膚・粘膜の健康維持、爪や髪の毛を強くする

このほか、バナナには、食物繊維、ミネラル、レジスタントスターチ(次項で解説)などの栄養素がバランス良く含まれています。

体にうれしいバナナの効果

バナナにはさまざまな栄養素が含まれていることがわかりました。では、バナナの具体的な健康効果についてお話します。

腸内環境を改善する

腸内環境を改善する

バナナには、小腸で吸収されずに大腸まで届き、「プレバイオティクス」として腸内細菌叢を整えるオリゴ糖とレジスタントスターチが豊富に含まれています。

バナナに含まれるオリゴ糖やレジスタントスターチの働きによって腸内細菌の多様性を高め、腸内環境を整えましょう。

微量栄養素を補う

微量栄養素を補う

バナナには、水分・ビタミン・ミネラル・食物繊維がたっぷり含まれています。ミネラルは体を作る重要な成分であり、不足するとさまざまな不調を引き起こしますが、体内では作れないため、食べ物から摂取しなくてはなりません。

その中でもマグネシウムは、カルシウムやリンとともに骨の形成に大きく関わる成分であり、マグネシウムの欠乏は骨粗しょう症のリスク要因であることがわかっています。そのため、マグネシウム豊富なバナナを食べることは、将来の骨粗しょう症予防のためにもおすすめです。

血圧低下を助ける

血圧低下を助ける

野菜や果物に多く含まれているアミノ酸のひとつに、GABA(γ-アミノ酪酸)があります。このGABAはバナナにも含まれており、血圧低下を助ける効果が期待できます。

バナナのおすすめの食べ方

バナナのおすすめの食べ方

バナナを日常的に食べるなら、朝食に取り入れるのがおすすめです。

バナナに含まれる糖質のひとつであるブドウ糖(グルコース)は、脳にとって唯一のエネルギー源。そのため、朝食でブドウ糖が含まれる食べ物をとらないまま活動すると、脳のエネルギーが不足して集中力や記憶力が働きません。

特に忙しくて朝食をとる時間がない人や、寝起きで食欲が出ない人は、下ごしらえや調理の手間がなく、すぐに食べられるバナナを朝食代わりにとりましょう。

バナナに含まれるオリゴ糖とレジスタントスターチを活かすため、体にとって良い菌が含まれるヨーグルトなどといっしょに食べると、腸内環境の改善が促進されます。

また、朝食をとると体内のリズムが整い、胃に到達した食べ物によって腸も刺激されて働き出すので、排便習慣も整います。便秘に悩む方にとっても、朝食で体を目覚めさせることはとても重要です。

腸活に良いバナナも食べすぎには注意!

腸活に良いバナナも食べすぎには注意!

果物と野菜は、ビタミンやミネラル、食物繊維を多く含む食材ですが、果物にはブドウ糖・果糖・ショ糖という糖質が多く含まれている点が野菜との大きな違いです。よって、果物の食べ過ぎは糖分過多となり、中性脂肪の増大や肥満につながる可能性も。

バナナ1本は約80kcalと、果物の中ではヘルシーなものですが、食事全体から摂取している糖質量を考え、食べる量を加減するようにしましょう。

朝食にバナナを取り入れて腸から元気な一日を!

朝食にバナナを取り入れて腸から元気な一日を!

バナナは、体が喜ぶ栄養素をたくさん含んでいます。朝食に取り入れることで、一日を元気に過ごすためのエンジンとしても活躍してくれます。

普段から朝食を抜きがちな人は、用意の手間がかからないバナナで朝食習慣を身につけ、よりすこやかな毎日を送りましょう。

引用

*1:カリウム|e-ヘルスネット(厚生労働省)

*2:便秘と食習慣|e-ヘルスネット(厚生労働省)