私たちの持つ感情の中でも大切な幸せという感情。この感情には、幸せホルモンである「セロトニン(serotonin)」が大きく関係しています。
昨今の腸活ブームで、このセロトニンというキーワードを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
その理由は、腸とセロトニンは深く関係しているため。そこで、セロトニンと腸の切っても切れない関係について解説します。
私たちの腸は心身の健康に大きく関わっている
私たちの腸内には多種多様な細菌(腸内細菌)が存在しています。
その腸内細菌は、重さ1.5〜2kg、数にして100〜500兆個で、これは体内に生息する細菌のおよそ9割です。また、腸の内面を広げるとテニスコート1面分もの広さになるのですが、その一面にお花畑 (フローラ)のように細菌たちが生息しています。
そのため、腸内細菌叢は腸内フローラと呼ばれます。
なぜこれほど多くの細菌が腸内に存在しており、人間の体にとって必要なのか。
それは、腸内細菌の機能が多岐に渡るためなのです。
腸内細菌の役割
腸内細菌は、以下のような役割を担っています。
①消化できない食べ物を栄養素にかえる(食物繊維を消化し短鎖脂肪酸をつくる)
②免疫機能のコントロール(腸内細菌と腸粘膜細胞とで免疫力の約70%をつくる)
③病原体の侵入・生育を防ぐ
④ビタミン類の生成(ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンK、 葉酸、パントテン酸、ビオチンなど)
⑤幸せホルモンを生成(ドーパミンやセロトニンを合成)
上記の役割のうち、①〜③は比較的認知されていると思いますが、実は④ビタミン類の生成と⑤幸せホルモンの生成も腸で行われているのです。
幸せホルモン「セロトニン」は腸で生成されている
さらに具体的にイメージしていただけるよう、腸内環境を整えるメリットを、私の生活にあてはめてみます。 腸内環境が良くなる=快腸になる(お通じが良くなる)、腸内フローラのバランスが整えられるので、
セロトニンとは、脳に幸福感を与える、精神状態を安定させてくれるホルモンのことをいいます。
幸福感というと脳(あるいはハート?)のイメージがありますが、実は腸がコントロールしている可能性があります。
つまり、腸を整えることがハッピー(幸せ)への近道かもしれないということ。 腸内細菌への期待が高まりますね。
まとめ|腸活で幸せホルモン「セロトニン」を生成できるコンディションを整えよう
セロトニンをしっかり分泌させることは、仕事のパフォーマンスがあがる、精神面が安定するので毎日一定のリズムで生活しやすい、という日々の生活につながります。
腸内環境を意識しながらハッピーな日々を過ごしましょう。
引用
1*:山城 雄一郎: 順天堂醫事雑誌2014 年 60 巻 1 号 p. 25-34,腸内細菌宿主の健康と疾病への密接な関係
2*:藤田紘一郎:寿命まで左右する!驚異の「腸内フローラ」 東洋経済オンライン
記事協力:土屋友美(管理栄養士・健康運動指導士)