こんにちは、編集部の河原です。
20代前半で微生物の魅力に翻弄された私。なぜかというと、自分たちよりはるかに小さい生き物である菌が、食材を美味しくしてくれる、体の健康を守ってくれる、環境を保全するなど、人間にできない活躍をしてくれているからです。
それ以来、菌に関する研究に6年従事し、今ではその魅力をどうにかして発信する側にまわって活動しています。
菌ってあんなに小さいのに、いろんなことをやってくれている……尊い🥺…と常に思っています。
そして昨今、腸活という言葉がメディアやテレビでよく取り上げられていますが、そもそもお腹の中に生き物である菌がいることを認識していない人が多いとも感じます。
どうしたらみんなに「お腹の中にはそもそも生き物である菌がいる」ということをわかってもらえるんだ!!😭
まあ落ち着いて…僕たちは普段から菌に触れているので理解しやすいけど、一般の人にとってみたら難しいですよね。。。
私たちは菌を愛しすぎているのか…
あ、では僕の方で菌に無知な人を連れてくるので、待っててください。
どうも、菌に無知な人です。
初めまして!菌に無知な人さん!よろしくお願いします。
では早速なのですが、そもそも、菌(微生物)はどこにでもいることは知っています?
菌、ですか?そもそもそんなに興味がないというか。
実は、今目の前の机の上や肌、髪の毛、海の中や土の中…ありとあらゆる場所にいますよ。
ふーん、そうなんだ。でも菌と言われても目に見えないし、どこにいて何をしてるのかは興味が・・・
あ、ところで“シムシティ”ってご存知ですか??
え、あの、20年以上前に流行った、ファミコンゲームですよね?街を作るやつ。僕の父親がハマってました。
うんうん、そうです。であれば、菌や腸活の理解は問題なくできますね。
・・・はい?
そもそも知ってほしい|お腹の中に生き物である”菌”がいること
私たちの体、特にお腹(腸)の中には生き物である”菌”が生きています。普段は小さくて目に見えませんが、間違いなく私たちの健康的な生活にとって欠かせないのが、菌です。
僕たちの体は、この”菌”の住んでいる家のようなものです。
ほんと、私たちは菌さんたちのためにご飯を食べて寝て運動して…を繰り返していると言っても過言ではないと思っています😌
勝手に進めないでください。
(この2人は、目に見えないもののために自ら奉仕しているっていう感覚でいるんだ…)
で、まあ仮にそうだろうとして、シムシティと何が関係してるんです?
まあそう焦らずに。
今日はお腹(腸)の中に生き物:菌が住んでいるということを覚えてくださったら、ここで帰宅でも結構です。(私の任務も終了)
え、せっかく来たのにそれだけなんですか?もう少し知りたいというか、結局シムシティは何が関係しているんですか??
では、ここからは僕の番ですね。
〜〜より深堀したい人は続きをどうぞ〜〜
腸内細菌育成とシムシティ(街づくり)は一緒です。
私たちのお腹に生きる腸内細菌を育てることは街づくりに似ていることにお気づきでしょうか。
街にはさまざまな職業や人種の人々が住んでおり、それぞれが役割を果たしながら、街全体が成り立っています。
同じように、腸内細菌叢には数千種類もの微生物が住んでおり、それぞれが消化や免疫、代謝などの役割を担い、体全体の健康を保つために協力しています。
つまり、あなたは腸(町)長で、街を作る・育てる・守る役目をになっているのです。
シムシティとは言いましたが、結論として街づくりで例えるとわかりやすいと思うのですが、どうですか?
生き物をお腹の中で飼うことが、シムシティと近いっていうことがいまいちわからないですね。
もう少し話すと、人々が住みやすい街を作るためにインフラ設備やお店を構えたりするのと一緒で、腸活も腸内細菌が長く住みやすいように腸に良い食事や運動、睡眠をする、ということです。
うーんわかるわかる。街が豊かになると、外からプロバイオティクスさん(観光客)たちも来てくれて賑わうのもそうだよね😋
2人が言いたいことはなんとなくわかった気がします。
私たち人間=街を作る人
腸内細菌=街の住人
腸=街そのもの
って感じで捉えるといいんですね。
(てかそんな感覚は一般的にない気がする…シムシティ…父親に聞いてみよう)
いろんな種類の人が住むことで街が成り立つのと一緒で、腸にもいろんな種類の菌がいることが大切です。
逆に、街から人がいなくなってしまうと廃れてしまうよね。それと一緒で、腸にも菌がいないと(しかもいろんな種類)、荒れ果てちゃいます。ひどい時は私たち自身が病気になることも…🤧
シムシティというか、街づくり理論で腸活を考えるのは理にかなっていることは理解しました。
街づくりはいつから始まるのか
実は、私たちは生まれた時から街づくりを始めています。
街は暮らしの基盤であるのと同じく、腸は身体の基盤、根幹ですからね。生まれた瞬間から街づくりは始まりますよ。
私たちはママのお腹の中にいるときは無菌の状態です。それから、生まれてくる時にママの産道を通る、あるいは帝王切開で生まれると、外部環境の菌が体内に流れ込んできます。
つまり、これは街に人が移り住むような感じですね!
ちなみに、自然分娩では赤ちゃんは産道を通る時にママの腸内細菌を受け継ぐので、「ママからの最初のプレゼントは腸内細菌」と言われることも。
▶︎赤ちゃんの腸内環境の特徴とフローラ形成を決める3つの要因
街づくりと同じくらい腸をケアすることが大切な理由
街が調和のとれた状態で機能するためには、住民たちが協力し合うことが必要です。
同じように、お腹の中に住む菌も、協力し合いながらバランスを保ち、生き生きとした状態でいることが大切です。
例えば、インフラ設備や環境保全、店舗を増やすことは街を盛り上げる上でも重要ですよね。それと同じく、腸を食事や運動、睡眠で整えることは住民である腸内細菌の暮らしやすさを担保する上でも大切です。
僕たちの日々の生活は、腸内細菌の住む街のインフラ設備みたいなものですね。
なるほどね……
まあ、街のコミュニティ作りとか隣人に挨拶する文化も、腸で起きているんですね。
(あ、菌に無知さん、理解度上がってる・・・?😙)
時々、街が荒れる時もある
街では時々、事件や災害が起こることもあります。それと同じようなことは腸でも起こりえます。
例えば、バランスを崩す菌が増えすぎてしまうと、腸内での菌のバランスが乱れてしまい、健康に悪影響を与えます。菌にとってのエサが足りなくなると、菌は腸内で生きていくことができません。
日照りが続く田んぼでは作物が育たないし、台風が来てしまうと建物が壊れてしまいますよね。それと一緒で、僕らの暮らしで運動を怠ったり寝不足な状態が続くと、菌の住む街が住みづらいものになってしまうんです。
確かに、治安の悪い街には住みたくないし、災害がくると一時的に避難しないといけない…では、そうならないためには具体的に何をしたらいいの?
街づくりを成功させる秘密は食事・運動・睡眠にあり!
自分の街でいろんな人に住んでもらうためには、街を整備する必要があります。同様に、腸の整備も重要で、普段の私たちの運動、睡眠、食事が鍵を握ります。
運動=空調設備。適度に体を動かして色々巡らせよう。
運動をすることは、街づくりでいう空調設備みたいなものです。運動でしっかり汗を流すのと同じく、血流も良くなるんでね。住みやすい街を作るためにも、運動は欠かせませんね。
ストレスを解消するって意味でも、いいよね。街にストレスがかかった状態だと、空気も美味しくないから呼吸しづらくなりそう…😂
運動が街づくりでいう空調設備だったとは…
睡眠=条例。正しい規則を作ることは街(腸)の治安のために大切です
睡眠と腸内細菌は密接に関係しています。
質の良い睡眠を摂ることで、脳は休まるだけでなく腸内細菌のバランスを調節してくれます。また、睡眠不足状態だとジャンクフードを食べたくなる欲求が強くなるとか。(*1)
これは、脳が睡眠不足になることで快楽を欲し、スナックやファストフードのような高糖質・高脂質でハイカロリーの食べ物を求めるためです。
ポテチやバーガー系などの高糖質・高脂質な食事は、腸内細菌にとっての災害であることは、いうまでもないでしょう。
ライフスタイルやお仕事次第で変わるとは思いますが、やっぱり夜寝て朝起きる、この基本的な睡眠サイクルを回すことは街づくり、すなわり腸の基盤を整える上で欠かせませんね。
だって、睡眠不足だと住民でもある腸内細菌がバランスを崩すっていう報告もあるからね、気をつけたいところ!🥱
▶︎睡眠不足と腸内細菌叢の深い関係*栄養素の代謝も関わる?【研究結果】
やべ、ただただ何をするでもなく夜更かしすることが習慣になってたから、僕の街、結構危険な状態かも…
街づくり(腸活)に遅すぎるなんてことはないですよー!!今日は早く寝よう。
食事:菌を摂り、育てましょう
食事=福利、補助金。例えば、子育て支援をすれば、街にファミリー層が増えるのと同じで、食事の種類によって増える菌も変わります。
あとは、街を賑やかにしてくれるのはやっぱり観光客の方々。いろんな人が街にやってきて、街の人と交流することで盛り上がりますよね。
ちなみに、外から取り入れた菌は定着しづらいので毎日摂る必要があります。だって街の家やマンションには、もうすでに人が住んでいるからね😌
すごいな、本当に街づくりだ…あ、観光客は街の魅力を知るとリピートしますよね。
うーん!あと、観光客が多いほど、経済は潤うよね🤫
街に観客が来るとお金を落としていくので、街の経済が潤います。プロバイオティクスはまさにそのような役割をしており、腸への定住はしませんが良い影響を与えます。
<具体的な菌を外から取り入れる方法>
・ヨーグルト:
なるべく毎日違う種類を食べる=いろんな観光客が街へ来るのと同じ。
・キムチ:
豆腐や納豆、ご飯にトッピングすると唸るほど美味しい。
・漬物:
ぬか漬けや浅漬け、酢漬けなど、おばあちゃんの手作りなどは嬉しい。
・サプリメント:
なるべくたくさんの種類の菌が入ったものを摂れば、観光スポットの証になる。
▶︎腸内細菌の多様性は日々の食事から!腸活にピッタリな最強食材を解説します
そして、観光客に準備するものは、ご当地の名物。それと一緒で、外から取り入れた菌にとってご飯となるものも一緒に摂りましょうね。
ご当地グルメは、街の人も愛してやまない食だよね!🤤
そうですね。ちなみにここでいうご当地グルメは、食物繊維とオリゴ糖です。
<具体的な外から取り入れた菌のエサ>
・いつもの食事に野菜を使った副菜を加える。ほうれん草のおひたしやきんぴらごぼうなど、ホッとする惣菜は意外と売ってある。
・味噌汁の具材を増やす。乾燥野菜などを常備しておけば、いつでも観光客へ料理を振る舞うことができる。
・食後のデザートをフルーツにする。観光客は果物も好き。
・白米を玄米や雑穀米に変える / もち麦入りのおにぎりを選ぶ。ちょっとしたホテルのオプションみたいな感じ。
▶︎プレバイオティクスとは?その役割とプロバイオティクスとの関係性
ちなみに、食物繊維やオリゴ糖を摂ると腸内細菌は短鎖脂肪酸を作り出します。
この短鎖脂肪酸は我々でいう納税ですね。町(腸)民はタダで住んでいるのではなく、ちゃんと納税してくれます。納税してくれた短鎖脂肪酸は私たちのエネルギー源になったり代謝を調整してくれますよ。
ちゃんと街を作ってあげる代わりに税金を納めてくれるんだ…しかもその税金(短鎖脂肪酸)が僕らの体の健康を作るものだったとは…シムシティ…
まとめ|街づくり理論で腸を知り、楽しみながら腸活をしよう
今回のお話、サマリーまとめてみたので見ていただけますか?
とにかく今日覚えてほしいことは、
・お腹の中には生き物である菌がいること
・腸活は街づくり理論で説明がつく
ということですね。
意外とみんな、生き物が体の中にいるってこと認識していないよね。腸活って市民権を得つつあるから、みんな知ってるかと思ったけど…🥲
あと、腸活を街づくり(シムシティ)で例えるのはナイス!そんな君には総合得点500をあげます。
ありがとうございます!!
うーん、やっぱり腸活とか腸内細菌とか言われても、結局は目に見えないから、今まで認識できていませんでした。なんだか不思議な気持ちです。
あと、河原さんのいう通り、シムシティ(街づくり)で例えてもらうとすごいわかりやすい。
よかったです。
街づくり理論は僕が考えましたが、使ってもいいですよ(ドヤ顔)
ちなみに、荻原くんは普段街作る系のゲームやるの???
最近はスマホアプリ版でシムシティをやってます。休みの日はひたすら街づくりに明け暮れていますよ。この説明を思いついた瞬間からはほぼ毎日触ってますね。
((やっぱりこの人ストイック体質だ…!))
私たちは、ママのお腹の中から外の世界へと飛び出す瞬間から街づくりを始めています。
街にはいろんなタイプの人が住んでいることや、ライフラインなど設備が整い、いろんな種類のお店があること、災害対策を講じてあることなどが大切です。
ぜひ、シムシティ感覚で今日から腸活(街づくり)をしましょう!
シムシティ、まんまとハマってしまった。