プロテインと聞くと、みなさんはどんなイメージをお持ちですか?

多くの方は

「筋肉を大きく(強く)するもの」

「トレーニング後に飲むもの」

などと思い浮かべると思います。そのため、普段筋トレをしないという方は、あまり自分にとって必要性を感じていないかもしれません。しかしプロテインを摂取することで、健康維持や身体づくりに繋がるとしたら?ここではプロテインについて、その有用性など基本的な知識を詳しく解説します。

プロテインとは?|大きく3つに分けられる

最近では、ドラッグストアやコンビニに「プロテイン(Protein)」と記載されたたくさんの種類のプロテインが並んでいます。

そんなプロテインは、原料によって大きく分けると「ホエイ」「カゼイン」「ソイ」の3種類。これらを、体づくりや減量、お腹の調子に合わせて摂取することをおすすめします。

とはいえ、タンパク質はただ沢山摂取すれば良いというわけではありません。

一般の方々であれば、体重1kgあたり約0.8gを目安に摂取すると良いでしょう。ただし運動した際は運動強度や量に応じ、これ以上の摂取が求められます。

参考:タンパク質は1日あたりどのくらい食べるべき?忙しい朝はプロテインがおすすめ!【管理栄養士が解説】

タンパク質が不足するとどうなる?

市販のプロテインは、主成分がタンパク質です。では、タンパク質が不足すると何が起きるのでしょうか。具体的に5つの症状について解説します。

1)筋肉量の減少

タンパク質の摂取は筋力アップなどに効果を期待できる一方、不足すると逆に筋肉量が減少してしまいます。特に長時間の運動ではエネルギー源としてタンパク質を消費することがあり、その際には通常以上のタンパク質補給が欠かせません。

2)肌荒れや髪トラブル

タンパク質は皮膚や毛髪を構成する成分であり、不足することで肌荒れや切れ毛などの髪トラブルが起こりやすくなります。

3)爪や骨などが弱くなる

タンパク質は爪や骨を構成する成分であり、不足することで爪が割れたり骨が脆くなったりします。骨粗鬆症などの原因にもなりかねず、十分なタンパク質の摂取はとても重要です。

4)集中力や思考力が低下

タンパク質は、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質を作るもとになる栄養素です。タンパク質が不足することでこれらの物質が生成されなくなると、集中力や思考力が低下してしまいます。

5)免疫力の低下

タンパク質には免疫力を高める効果があるとされており、逆に不足するとこれが低下してしまいます。免疫力が低下すると体調を崩しやすくなるなど、健康を害する原因になりかねません。

プロテインのメリット

タンパク質の不足によって、さまざまな症状が起こり得ることがお分かりいただけたでしょう。もちろん、タンパク質は食事からも摂取できます。では、なぜプロテインの摂取が有効なのか。そのメリットについても、ここで3つを取り上げ確認しておきましょう。

1)食事だけでは補いきれないタンパク質を手軽に補える

前述の通り、タンパク質は食事からも摂取できます。タンパク質が多く含まれる食品としては、具体的に以下のようなものが挙げられるでしょう。

  • 乳製品(チーズ、ヨーグルト、牛乳 など)
  • 肉類(鶏ささみ、生ハム、牛もも肉、豚ロース など)
  • 大豆類(納豆、きな粉、油揚げ、豆腐 など)
  • 卵類(卵黄、卵白、ピータン など)
  • 魚介類(魚卵、するめ、イワシ丸干し など)

しかし実際のところ、運動量が多い人(タンパク質の必要量が多い人)や忙しくて食事を抜いてしまう人などは、食事だけで十分なタンパク質を摂取することが難しくなります。

そのため、プロテインによって不足分を補うことはとても有効です。また、わざわざ調理しなければならない食事と比べ、とても手軽な補給方法と言えます。

2)食事できない場所でも持ち運んで摂取できる

例えば屋外にいたり、自宅にいても忙しかったり。上手く食事時間を確保できない場合にも、プロテインはメリットを発揮します。製品によって水に混ぜて飲む、固形でそのまま食べるなど摂取方法は異なりますが、いずれもバッグなどに入れて持ち運び可能。好きな場所で摂取できます。アスリートの中にもプロテインを持ち運び、競技後すぐにタンパク質補給のため使用しているケースが少なくありません。

3)傷ついた筋肉の修復を促す

タンパク質を摂取することで、運動等によって傷ついた筋肉が修復しやすくなると言われています。その結果、疲労回復や筋肉成長にも効果が期待できるでしょう。翌日に疲労を残さず高いパフォーマンスを維持したい、あるいはより強い筋肉を獲得したいという方にとって、大きなメリットとなるはずです。特に運動後はできるだけ早い摂取が重要なため、いつでも摂取できるプロテインは大いに役立ちます。

なお、タンパク質に限らず他の栄養素に関しても同様ですが、不足することで体にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。プロテインを飲むだけで栄養バランスが整うことはないため、食事と合わせてバランスよく摂ることが大切です。

 

プロテインはアスリートだけのもの?

アスリートは身体を酷使して、一般より多くのエネルギーを消費します。そのため、食事だけで十分なタンパク質を補給することはとても困難であり、積極的にプロテインを利用する人が多く見られます。このことから、恐らく「プロテインはアスリートのもの」とイメージする方は少なくないでしょう。

しかし実際のところ、プロテインはアスリートだけのものではありません。プロテインは身体づくりや健康維持など、さまざまな目的で効果を発揮します。そのため、一般の方々もプロテインは飲んで問題なく、むしろ推奨される点が多いのです。そしてこれは、年齢・性別など問いません。

特に食事でタンパク質を多く含む食品が上手く取れていない、あるいは生活が不規則で食事を抜いてしまいがちといった場合にはメリットが大きいでしょう。もちろんアスリートでなくとも、日常的に筋トレやジョギングなどの運動に取り組んでいれば、通常より多くのタンパク質を必要とします。また、部活動で汗を流している学生も同様です。健康でありたい、身体を良い状態で保ちたいという方なら、プロテインはその支えとなるでしょう。

まとめ

ここで取り上げた内容を踏まえ、プロテインに対する見方が変わったという方がいるかもしれません。もちろんアスリートのパフォーマンスを高め、力強い筋肉を作るのに役立つというのもプロテインの効果です。しかし誰にとっても十分なタンパク質の摂取は欠かすことができず、プロテインは食事では足りないタンパク質を補ってくれます。そのため、健やかな日々を送るうえでとても有効なサプリメントの一つと言えるでしょう。

ただしプロテインと言っても、とにかく適当に摂取すれば良いというものではありません。次回はプロテインを摂取するうえで知っておきたい注意点、また、より大きな効果を得るためのポイントについて解説します。