「便秘」と聞くと良くないことであることは容易に想像できると思いますが、具体的にどのようなデメリットがあるのかを聞かれると、パッと答えられない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、腸のプロフェッショナルであるAuB株式会社研究統括の冨士川に、日常に関わる便秘による悪影響について話を伺います。
①年間122万円の損失!? 便秘による生産性の低下
便秘と聞くと悪そうなイメージは当然湧きますが、具体的に普段の仕事や日常生活においてどのような悪影響を及ぼすんですかね?
いろんな悪影響がありますが、生産性が低下します。
え?
便秘で生産性が落ちるんですか?
便秘になると、メンタルの不調や睡眠不調、集中力の低下、体調不良による欠勤などが引き起こされ、結果的に生産性の低下に繋がります。
便秘の人は生産性の低下によって年間122万円の損失にもなっているという報告もあるんですよ。
参照:https://www.asahi.com/relife/article/12892801
122万円も…?
確かに便秘になると身体の不快感が増しますし、気分もどんよりしてハイパフォーマンスが出せるコンディションとは程遠い気がします。
いわゆるプレゼンティーズムと言われるものですね。
なので極端にいえば「仕事ができる男になるためには、快便である必要がある」と言える思います。
これは名言だ…!
②実はその悪臭、便秘による腸内環境の乱れが原因かも?
2つ目は、体臭や口臭が臭くなります。
これはもう悪影響すぎますね…
周りへの影響も気にしちゃいますし。どうしてですか?
便秘になるとアンモニアなどの有害物質が腸に留まり、血中のアンモニア濃度が増します。そして血中のアンモニア濃度が高くなると、皮膚や口から体外に出ていって、口臭や体臭の原因になるんです。
参照:https://www.nikkei.com/nstyle-article/DGXMZO54979690Z20C20A1000000/
どれだけいい匂いのボディーソープで毎日きちんと身体を洗っていたり、高い歯磨き粉や口臭ケア用品を使っていたとしても、便秘のせいで悪臭が発生してしまうのは絶対避けたいです。
③認知症のリスクが約2倍。将来的な健康にも繋がる便秘の危険性
最後3つ目。
これはもしかしたら、短期的な悪影響じゃないかもしれませんが…。
なんでしょう。
認知症のリスクが約2倍になります。
便秘って認知症にも繋がるんですか…
過去の研究において、男女ともに便の頻度が少ない人ほど認知症リスクが高いと言う結果が出ています。
参照:https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/9173.html
難しそうなので、理由を簡単に教えていただきたいです…。
このメカニズムについては分かっていない事もあるのですが、便秘であることは、つまり排便頻度が低いこととと言えます。排便頻度が低いことと、便が硬いことは、便の腸管通過時間の遅延と関連があるのです。
この腸管通過時間の遅延というのは、腸内細菌の代謝産物である短鎖脂肪酸の減少を引き起こすことが報告されていて、短鎖脂肪酸の減少が酸化ストレスを引き起こし、認知症リスクを高める可能性が考えられます。
ということは短期的にも中長期的にも、便秘って悪い影響しかないですね。
そうなんです。
だから絶対便秘にならないように、腸内環境を整える努力を日常生活に取り入れた方がいいんです。
腸ケアは体調管理の1丁目1番地ってそういうことか…。