夏野菜の代表的な存在といえばきゅうり。調理不要で簡単に料理に彩りを与え、ほかの食材を邪魔しないさっぱりした味わいが魅力ですよね。
きゅうりは水分が多く栄養価は低いイメージがありますが、実際には意外と多くの栄養素が含まれていて、体にうれしい野菜でもあります。今回はきゅうりに含まれる栄養素や体へもたらす効果のほか、きゅうりを食べるメリットについて解説します。
きゅうりってどんな野菜?
きゅうりはウリ科の野菜で旬は夏。ビニールハウス栽培が増えたことで、最近では年間を通じて食べられるようになりました。水分が多く、味に癖がないので漬け物やサラダ、炒め物など、さまざまな調理方法でおいしく食べられます。
きゅうりに含まれる栄養素
95%が水分でできているきゅうりですが、残りの部分にはたくさんの栄養素が含まれています。ここではきゅうりと同じくスーパーなどで手に入りやすい野菜と比較してみました。
■主な野菜ときゅうりの成分比較表
エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 脂質(g) | 食物繊維(g) | 炭水化物(g) | カリウム(mg) | ナトリウム(mg) | マグネシウム(mg) | 鉄(mg) | カルシウム(mg) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
きゅうり | 13 | 1.0 | 0.1 | 1.1 | 3 | 200 | 1 | 15 | 0.3 | 26 |
トマト | 20 | 0.7 | 0.1 | 1.0 | 4.7 | 210 | 3 | 9 | 0.2 | 7 |
キャベツ | 21 | 1.3 | 0.2 | 1.8 | 5.2 | 200 | 5 | 14 | 0.3 | 43 |
たまねぎ | 33 | 1.0 | 0.1 | 1.5 | 8.4 | 150 | 2 | 9 | 0.3 | 17 |
エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 脂質 (g) | 食物繊維(g) | 炭水化物(g) | |
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きゅうり | 13 | 1.0 | 0.1 | 1.1 | 3 |
トマト | 20 | 0.7 | 0.1 | 1.0 | 4.7 |
キャベツ | 21 | 1.3 | 0.2 | 1.8 | 5.2 |
たまねぎ | 33 | 1.0 | 0.1 | 1.5 | 8.4 |
カリウム(mg) | ナトリウム(mg) | マグネシウム(mg) | 鉄 (mg) | カルシウム(mg) | |
---|---|---|---|---|---|
きゅうり | 200 | 1 | 15 | 0.3 | 26 |
トマト | 210 | 3 | 9 | 0.2 | 7 |
キャベツ | 200 | 5 | 14 | 0.3 | 43 |
たまねぎ | 150 | 2 | 9 | 0.3 | 17 |
きゅうりを食べることで期待できる効果
栄養素が豊富なきゅうりには食べることで体に良いことがたくさんあります。ここからはきゅうりを食べることによって期待できる、体への効果について見ていきましょう。
血圧低下を助ける
塩分をとりすぎたり、とった塩分や水分の排出が滞ったりすると、体内の血液量が増えて血圧が上がります。慢性的な血圧上昇は万病のもとになる高血圧を引き起こすため、塩分を溜め込まないよう意識することが大切です。きゅうりに多く含まれるカリウムにはナトリウム(塩分)の排出を促進する効果があり、血圧の安定に役立ちます。
むくみの改善・軽減
カリウムは塩分だけでなく体内の過剰な水分も排出します。体内の水分量が安定するので、むくみの解消の効果も。ただし、腎機能が低下しているとカリウムを十分に排出できず体内のカリウム濃度が上がって健康リスクが高まるため、とりすぎには注意が必要です。
きゅうりから栄養素をとるメリットとは?
きゅうりから栄養素をとる際のメリットには次のようなものがあります。
・低カロリーで太りにくい
きゅうりに含まれる栄養素はほかの食材でもとることができますが、水分が多いきゅうりは低カロリーでたくさん食べても太りにくいです。
・調理せずにそのまま食べられる
きゅうりは洗ってそのまま丸かじりすることもできるなど、調理せず手軽に食べられることもポイント。
「手間はかけられないけど、もう少し栄養バランスを良くしたい」というときの+αにおすすめの食材です。
一方、ひと手間加えることができるなら、ぬか漬けや味噌漬けなど発酵させた状態で食べれば腸活効果も期待できます。
きゅうりからビタミンCを効率的にとる場合のポイント
きゅうりに含まれるアスコルビナーゼという成分はビタミンCを酸化させてしまうことがあります。(*1)
よって、ビタミンCもしっかりとりたい場合は酸に弱いアスコルビナーゼの性質を利用して酢漬けにしたり、柑橘系のドレッシングと合わせたりするといいでしょう。
おいしいきゅうりの選び方
最後においしいきゅうりを選ぶ際のポイントをご紹介します。お店できゅうりを選ぶときには下記のような点をチェックしてみてください。
太さが均一かどうか
きゅうりは端から端までの太さが変わらないものがおすすめ。太さが均一でないと水分量が偏り、味にムラが出てしまいます。先細りしているものもNG。ただし、曲がっていても品質に問題はありません。
鮮やかな緑色をしているか
表面の緑色が濃く、鮮やかなきゅうりは新鮮である証拠です。
皮にハリがあるか
きゅうりを持ってみて全体にみずみずしいハリがあると◎。しわになっていたり、やわらかくなっていたりする場合は鮮度が落ちてきています。
いぼがチクチクするか
表面にあるいぼも鮮度を反映します。いぼがやわらかいきゅうりより、とがっていてさわるとチクチクするきゅうりのほうが新鮮です。
「きゅうりには栄養がない」は誤り!積極的に食べるのがおすすめ
水分量が多く一見すると栄養がないように見えるきゅうりですが、健康的な体を維持するために必要な栄養素をたっぷり含んでいます。
体に必要な水分やミネラルを補給してくれるので暑い夏場はもちろん、冬も積極的にとるといいでしょう。サラダにしたり、炒め物にしたりなど、さまざまな形できゅうりを食卓に取り入れてください。
引用
*1:The dynamics of vitamin C content in fresh and processed cucumber (Cucumis sativus L.)