ある日、goodcho編集部にこんな質問が寄せられてきました。

「陸上選手の腸内環境ってどうなっているの?」

goodchoの運営元であるAuB株式会社は、アスリートの腸内細菌研究に強みを持ち、データ保有数は世界レベルです。このデータをもとに、正しい情報の発信や機能性・品質を科学的に追求した商品・サービスを開発しています。

今回は、長年アスリートの腸内細菌の研究を行ってきた弊社研究統括の冨士川に、「陸上選手の腸内環境」について話を聞きました。

※サッカー選手編はこちら

陸上選手に多いのは酪酸菌の中でも最もアスリートらしい菌である「フィーカリ菌」!?


冨士川さんは数々のアスリートの腸内環境をみてきたと思いますが、その中で陸上選手ならではの特徴ってあったりするのでしょうか?

ありますよ。陸上・サッカー・野球・ラグビーの4競技の選手たちの腸内細菌を比較したことがあるのですが、陸上選手は”とある菌”が多いという結果になりました。

その”とある菌”というのは?

フィーカリ菌です。

フィーカリ菌…?

フィーカリ菌とは、酪酸産生菌(酪酸菌)と呼ばれる善玉菌の一種です。近年、酪酸菌は世間的によく知られるビフィズス菌に匹敵する善玉菌と考えられるようになっています。

酪酸菌の一種なんですね。

はい。アスリートは酪酸菌が一般の方に比べて多いのが特徴なのですが、フィーカリ菌はその中でも最も多く人々の腸内に存在する代表的な酪酸菌です。最もアスリートらしい菌と言ってもよいかもしれません。

ちなみになぜ陸上選手はフィーカリ菌が多いのでしょうか?

結論から言うと、なぜ陸上選手にフィーカリ菌が多いのかは分かっていないのです。ただ、他の競技よりストイックな食事傾向の選手が多い印象がありますし、運動量も多いので、アスリートらしい菌が多いのは不思議ではないと思いました。

確かにマラソン選手などは体重のコントロールなど徹底している印象があります。長距離走だと練習時間も長そうですよね。

ちなみに、アスリート全般に言えることですが、陸上選手も他の競技の選手と同じく便通がとても良いです。研究のために採便をお願いすると、依頼した日の朝に必ず頂くことができます。

す、すごい…

理想的な腸内環境を作るために必要なのは「月30種類の食品から多様な菌を摂る」ことと「月100種類以上の食材から多様な菌のエサを摂る」こと


ちなみに、陸上選手の中でも特に腸内環境が整っていた選手は、どんな特徴がありますか?

多様な食材を摂取していた選手でした。主菜や副菜の種類が多く、たくさんの種類の野菜や果物を食べられていました。

AuBは常日頃「月30種類以上の食品から多様な菌を摂りましょう」「月100種類以上の食材から多様な菌のエサをとりましょう」と言い続けていると思うのですが、ある意味それを体現している人ってことですかね?

まさしくです。それから、肉だけでなく魚でタンパク質を摂取している頻度が多いという傾向がありました。

魚を食べると何がいいんですか?

魚に含まれるEPA/DHAといった油は、血液をサラサラにして運動効率をupさせるという報告や、腸内環境にも良いという報告があるんです。

へ〜!(でも主菜・副菜の種類が多く、さらに肉も魚もしっかり食べるのって大変だな…)

あきらめないで!陸上選手に近づくための誰でも真似できるおすすめ腸ケア


あ、今「まあでも、陸上選手だから出来るんでしょ…私は陸上選手じゃないから真似できないよ」って思いました?

思いました(笑)

近づく方法…あります!

教えてください!

やはり少しでも運動するということかなと思います。運動することと腸内環境改善については、実はまだメカニズムが解明されていないこともあるのですが、運動すると体温が高まることが腸に良い理由かもしれないと考えています。

運動か…。毎日仕事が忙しいしな…。

もし仕事が忙しく、なかなか運動するのが億劫という方は、お風呂にしっかり浸かることも良いことです。

確かにお風呂なら比較的楽に体温が高まりそう。

少なくとも15分以上浸かると体の芯まで温まると思いますので、15分以上の入浴をお勧めします。疲れを取るためにも、しっかりとお風呂に入る選手も多いですよ。

早速今日から入浴します!