「休んでいるはずなのに疲れが取れない」

「毎日、なんとなくだるい気がする」

このようなお悩みはありませんか?

休んでいるはずなのに解消できない慢性的な疲労は、腸内環境が乱れているせいかもしれません。近年、腸内環境の乱れが、慢性的な疲労に関係していることがわかっています。

そこで本記事では、疲労と腸内環境の関係について解説します。さらに、疲労回復に役立つ腸活方法も紹介。腸内環境を整えて、体の内側から元気を目指しましょう!

▼動画でも解説中!ぜひ観てみてください*

慢性疲労と腸内環境には関連があった!

慢性疲労と腸内環境には関連があった!

慢性疲労症候群とは、原因不明の強い疲労感に襲われる症状です。

自律神経の乱れにより寝つけない、眠りが浅いなどの「不眠」や、日中に極度の眠気に襲われる「過眠」、さらには気分の落ち込みが続くなどの症状が見られます。

このような慢性疲労の原因には、腸内環境の乱れが関係していることがわかってきました。

慢性疲労患者は腸内環境に特徴がある

慢性疲労患者は腸内環境に特徴がある

アメリカのコーネル大学で行われた研究で、慢性的に疲れを感じる「筋痛性脳脊髄炎(ME)」/「慢性疲労症候群(CFS)」患者の、腸内フローラを調べました。(*1)

その結果、患者さんの腸内フローラは、健康な人に比べて腸内細菌の多様性が低下していることがわかりました。

また、慢性的に疲れを感じる患者さんの体内では、炎症反応が増加している可能性も示唆されています。

腸内環境が疲労に関係する理由

腸内環境が疲労に関係する理由

腸内フローラの多様性が低下すると、腸の動きが悪くなり栄養素の吸収率が低下します。

栄養素の吸収率が低下することで、エネルギーをうみだせずに体に悪影響が出てしまうことも。疲れだけでなく、肌荒れや肥満、便秘などさまざまな症状につながってしまいます。

また「脳腸相関」と言われるように、腸の状態は脳の状態へも影響します。腸内フローラの多様性の低下は、ストレスや慢性的疲労、仕事への意欲低下なども招いてしまうのです。

疲れにくい体を目指そう!おすすめの腸活方法

疲れにくい体を目指そう!おすすめの腸活方法

慢性疲労の原因には、腸内細菌の多様性が関係していることがわかりました。そこで、疲れにくい体をつくるためにも、腸内環境を整える「腸活」に取り組みましょう。

食事 | 腸内環境の多様性を高める

食事 | 腸内環境の多様性を高める

疲れにくい体をつくるには、食事で腸内環境の多様性を高めることが重要です。日頃の食生活を改善することで、体の内側から疲れにくい体を目指しましょう。

食事で腸内環境の多様性を高めるには、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」が重要です。

■プロバイオティクス:漬物 ・ヨーグルト ・ビフィズス菌入りのヨーグルトなどがおすすめです。

■プレバイオティクス:食物繊維 ・オリゴ糖が含まれる食材の摂取がおすすめです。

この「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」を組み合わせて、一緒に食べることがポイント。腸内細菌がプレバイオティクスを食べることで、持久力をアップさせる効果がある短鎖脂肪酸を作り出します。

睡眠 | 夜ふかしは避けて

睡眠 | 夜ふかしは避けて

疲れにくい体をつくるには、夜ふかしは避けて睡眠を取りましょう。脳と腸の状態はお互いに影響しあっており、睡眠の質の良し悪しが腸内環境に影響を与えるからです。

そのため、疲れにくい体をつくるには睡眠をしっかり取り、脳を休めることが重要。睡眠をしっかり取ることで、腸内環境を整える効果が期待できます。

また人は年齢を重ねるにつれ、睡眠時間が減少する傾向にあり、成人の平均睡眠時間は6時間〜7時間程度といわれています。できれば1日6時間以上寝て、1日の疲れをとれるように意識しましょう

運動 | 外で日光を浴びよう

運動 | 外で日光を浴びよう

疲れにくい体をつくるには、外で運動をしながら日光を浴びましょう。外で運動をすることで、ストレスや精神疾患などの症状を和らげる効果があります。

また日光を浴びると、神経伝達物質の1つである「セロトニン」の分泌も促します。セロトニンが分泌されることで、自律神経をコントロールし、うつ病を抑制する効果が期待できます。

運動の前後や、就寝前のストレッチもおすすめです。ストレッチで体をほぐすことで、副交感神経が優位になり、リラックス効果をもたらします。(*2)

またアスリートには、運動によって蓄積する乳酸を短鎖脂肪酸に変える菌が多いんだとか。短鎖脂肪酸は、糖質や脂質の代謝を活性化させるため、筋肉のエネルギーにもなります。

まとめ

まとめ

休んでいるはずなのに解消できない慢性的な疲労は、腸内環境の乱れと関係しています。

疲れにくい体をつくるには、「腸内細菌の多様性を高めること」がポイント。日頃の食生活や生活習慣を改善することで、疲労回復につながります

また「気持ち問題」「気のせい」と放っておく方も多いですが、慢性的な疲労を放置すると、メンタル面や体の調子を崩してしまう可能性もあります。

ぜひ今回ご紹介した腸活方法を実践して、毎日を元気に過ごしましょう!

引用

*1:Giloteaux, L., Goodrich, J.K. and Walters, W.A. et al. (2016) Reduced diversity and altered composition of the gut microbiome in individuals with myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome. Microbiome. 4(1):30.

*2:ストレッチングの効果 | e-ヘルスネット