コンビニやスーパーで、カットフルーツとしても売られているパイナップル。
昔に比べて各段に手に入りやすくなり、いつでも気軽に食べられるようになりました。甘酸っぱくておいしいのはもちろん、栄養たっぷりで肌や健康にも良いとあって、幅広い世代に人気の果物です。
そこで今回は、パイナップルに含まれる栄養素と期待できる効果のほか、選び方のポイントなどについて解説します。
パイナップルってどんな果物?
パイナップルは、熱帯アメリカ原産の多年草。イチゴやイチジクなどと同じ「集合果」で、小さな果実が集まった特徴的な見た目をしています。
日本では主に沖縄県で栽培されていますが、国内供給のほとんどはフィリピンを筆頭にした輸入物が占めています。最近では、酸味が少なく甘みが濃い台湾パイナップルも手に入りやすくなりました。
パイナップルに含まれる主な栄養素と期待できる効果
パイナップルはビタミンCなど、美容にもうれしい効果がある栄養素がたっぷり入った果物。ここでは、パイナップルに含まれる主な栄養素と、期待できる効果をご紹介します。
ビタミンC
パイナップルには、100gに35mgのビタミンCが含まれています。
ビタミンCの効果といえば、抗酸化作用による美肌の維持です。コラーゲンの生成を促すので、肌のハリにも働きかけてくれるうれしい効果も。
さらに、鉄の吸収を促進することによる貧血の予防や、免疫機能を調整することによる病気の予防も期待できます。
カリウム
パイナップルには、100gあたり150mgのカリウムが含まれます。
カリウムは、体の中に停滞する塩分や水分の排出を促し、とりすぎた塩分を調整する働きがある栄養素。体内の塩分量が減ることで、高血圧の予防、むくみの防止にもつながります。(*1)
食物繊維
パイナップルには、100gあたり1.2gの食物繊維が含まれます。
特に水溶性食物繊維は、体に良い影響を与える腸内細菌のエサになってその菌を増やし、腸内フローラの多様性を促進します。また、脂質・糖・ナトリウムなどの排出を促すため、肥満や脂質異常症、糖尿病、高血圧などの予防・改善効果があります。(*2)
炭水化物
パイナップルには、100gにつき13.7gの炭水化物が含まれています。
炭水化物は、脳や体を動かすためのエネルギー源となるもの。炭水化物が不足すると、疲労感が増したり、集中力が落ちたりするため、毎日の食事でしっかりとることが大切です。
マグネシウム
パイナップルには、100gあたり14mgのマグネシウムが含まれます。
マグネシウムには、カルシウムやリンと一緒に働いて骨を作り、骨量の減少を抑制する働きがあります。また、体温や血圧を良好に保ち、不整脈や高血圧、抑うつ状態などから心身を守ります。(*3)
葉酸
パイナップルには、100gあたり0.012mgの葉酸が含まれます。
葉酸はビタミンB群の一種で、疲労回復に効果があるほか、ビタミンB12といっしょに血液のもとになる赤血球を作ります。妊娠の初期には特に必要な栄養素なので、積極的にとることをおすすめします。
パイナップルの食べ方のコツ
パイナップルには、たんぱく質分解酵素である「ブロメライン」が多く含まれています。(*4)そのため、肉や魚など、たんぱく質を含む食材を食べたときのデザートとして食べるのがおすすめ。
なぜなら、ブロメラインのようなたんぱく質分解酵素が消化を助けてくれるためです。(*5)
お肉などたんぱく質を多く食べすぎると、大腸で有害な菌が増えて有毒なガスを出してしまうことがあります。そんな時、たんぱく質分解酵素によってお肉などがきちんと消化されて小腸で吸収されると、大腸の腸内環境が健全に保たれるわけです。
ただし、ブロメラインは熱に弱いので、パイナップルを加熱するなら仕上げの段階で加えるのがコツ。
また、パイナップルを乾燥させたドライパイナップルは、生のものよりも栄養素が凝縮されているのでおすすめです。間食として手軽に食べられるほか、ヨーグルトに入れるなどしてもおいしくいただけます。
おいしいパイナップルはどう選ぶ?
パイナップルは追熟しないので、お店に出ているときが食べ頃。買った後に置いておいても甘くなりません。お店では、色が黄色からオレンジ色で、下の部分から甘い香りがする物を選びましょう。
実が詰まったおいしいパイナップルは、持ち上げたときにしっかり重みがあるため、店頭で手にとってみましょう。
パイナップルは栄養素たっぷり!腸活にも役立つ果物
パイナップルには、腸内環境の改善に欠かせない食物繊維やブロメラインなど、大切な栄養素がたっぷり含まれています。栄養素を余さず取り入れるなら、食べ方にもこだわってみましょう。おいしいパイナップルを食べて、すこやかな体づくりを目指してくださいね。
引用
*5:消費者相談室、農林水産省