こんにちは、編集部の河原です。
管理栄養士の資格を持ち、普段から食生活には人一倍気をつかい、ジャンクフードやインスタントラーメンには目をくれず、家で野菜中心の料理に励む私ですが、最近のトレンドに疑問を抱いていることがあります。
なぜ、人は困ったらファスティングに走るんだろう…
SNSでもファスティングに関する投稿はよく目にし、経験者は体の変化をレポート。その投稿には必ずと言っていいほどいいねがたくさん付きます。本当にいいねと思っているのか、そのいいねから行動は生まれているのか……
こんな疑問を、実は管理栄養士養成大学時代から思い続けてはや10年。
そこで、腸内細菌を研究する荻原くんに、相談してみることにしました。
そろそろファスティングが必要なのかを決めたい
会社でも仲良しの2人。このように、河原はよく荻原くんに話しかけることが多い。
ーーーファスティングに疑問を抱いた河原はAuB研究員荻原くんの横に座り、おもむろに口を開き始める。
最近私思うことがあって。そもそもファスティングって必要なのかな???
というと?
いや、私も管理栄養士の資格を持っているので、体調管理についてすごく聞かれることが多いんだよね。その中で、「ファスティングって効果あるんですか?」っていう質問がやっぱり多い。
結局のところ、ファスティングをすることはいいことなのか、それともファスティングをやらなくてもいいくらい普段の食生活を整えておくべきなのか、みたいなことをすごく考えるようになったのです。
でもそれで後者が正しい、と考えるのは、時間がある人の意見ですよ。意外とみんな365日食事を完璧にしよう、なんていうのは構ってられないんです。
ギク….
あ、でもまず大前提として、現代人は食べすぎです。みんな空腹の時間が少ない。
お、科学っぽい話になってきた。
うん。食事のバランスを整えよう、ということで、ビタミンが足りていないからアレを食べる、コレを食べる…なんてしていると、気がついたら食べすぎているなんて往々にしてあります。
なるほど。その食べ過ぎをリセットする方法が、世に言うファスティングなのか。
気になってきたので、論文で調べてみますよ。ちょっと待っていてくださいね。
え!いや!そこまでしなくても…!!!!(そこまでお願いしてなくて、、軽くディスカッションしようと思ってただけなのに……)
“ファスティング”に関する研究を荻原が徹底的に調べてみた
河原さん、早速調べてまとめてみましたよ。
誇らしげに論文をまとめたnotionページを見せる荻原くん。中身は有料で配布しても良さそうなくらい密度の濃いページになっている。
…早い!今日の朝話したのに、まだ夕方だよ…???でも、ありがとう…!!!
善は急いだ方が良いので、僕のリサーチですべての迷えるファスティンガーたちを救います。
(((すごい使命感…!!!)))
食事改善には2つの視点がある:何を食べるか、いつ食べるか
まず、食事改善方法には2つの視点があるんですよ。
え、あれ?そうなんだ。
それは、何を食べるか、いつ食べるか。
俺か、俺以外か、的な?
こういう図、すごい好き好き…
急に研究者感(笑)じゃあ解説しますね!
①エネルギー量を調節する:What we eat
まず、一般的にみんながチャレンジしやすい、カロリー制限ですね。1日あたりのカロリー摂取量を抑える。
管理栄養士の食事指導でも、これが主流な気がする。
そうかもしれません。図でいう、ULCD(超低カロリー食)やLCD(低カロリー食)は、医師や管理栄養士の指導のもと行う食事改善方法でもあるので。
ふーん、じゃあ、一般的にこれを遂行する人が多いのって、実は結構危ないってことなのかもね。
自己流の食事改善方法は、何事も自分の体調をよく観察して行うのが一番ですね。
②時間を調節する:When we eat
次は、「時間」を調節する方法。これは、最近流行りの16時間ダイエットだったり、1日何も食べないで空腹の時間を作るダイエットが代表ですね。
お〜16時間ダイエット!私の友人もこれやってる人いるいる!
でも、普通自分が朝何時から夜何時までご飯食べてたかって気にしてませんよね。
うん、そもそも私が意識してなかった。というより、まだ一般的には、時間よりも、何を食べるかを気にしている人が多い印象…。
ファスティングの方法を図示してみるとわかること
先に述べたファスティング方法から、よく聞く方法のみを抜粋し、荻原くんがiPadで図示をしてくれました。
わざわざありがとう(笑)
むしろ説明させてくれてありがとうです。
…
一番左の①は王道の1日のカロリーを抑える食事方法。これは結構毎日辛いというか、、カロリー計算もめんどくさければ食事に満足感がない日が続くので、僕はこれをすると食欲が爆発します。アイスを爆食いする羽目に。
こないだ荻原くんがでかいアイスを抱えて食べてたのは、それだったのか…
次に②が、16時間ダイエットですね。これはカロリー計算不要で、時間だけ気をつけておけばOK。
うんうん。
で、③が1:1ダイエットで、一日おきに普通食と制限食を繰り返す食事方法です。
毎日会食!みたいな年末年始や長期休みは厳しそうだね…
そして最後の④が、僕の最もおすすめできる5:2ダイエットです。これは、1週間のうち5日間は自由に食事をして、2日間はカロリーを控えめにする。
おすすめ…???
あとで説明します(ニヤニヤ)
ここで大事なのは、定期的に空腹状態を作り出すことで、飢餓スイッチが押されること。このスイッチを押すことで、オートファジーを働かせるのです。
オートファジー、、、ノーベル賞で話題になったよね。
そうそう、そのおかげで代謝サイクルに変化が起きて、余分な体重が減ったり、体調に変化が起こります。
なので、河原さんの最初の問いに答えるならば、ファスティングは単純なダイエット目的だけでなくて、
ファスティング=普段過剰に食べている状態をリセットして、体調をよくする
という意味もあるんじゃないかなと思います。
世界にあるファスティング方法はすごかった
以上が、僕の調べてきた論文のサマリーになります。
うんうん、結論、食生活の改善方法としてファスティングは手段のひとつになり得るんだろうなと思いつつ、私結構会食の予定も多いから厳しいかもしれない…
明らかに嫌そうな顔をする河原。
会食が多い人は、僕が今回紹介した中でも5:2ダイエットが合うかもしれませんよ。1週間のうち、会食がない2日間のカロリーを600kcal以下にする、それ以外の5日間はカロリー制限がないので、会食に行けちゃいます。
なるほどね。それだったら会食予定の入りやすいビジネスパーソンや、友達とご飯の約束が多い人も実践できそう!
荻原くんの話に納得する河原。何やら思い浮かんだ顔の荻原。
あとは、僕の方で、いろんな論文読み漁ってガイドライン決めたんですよ。なので、河原さんには、このガイドラインを遵守した形でのファスティングを、明日から一週間やってもらいます。
え、ファスティングを私がやるの!?聞いてないないwwwだったらもっと簡単で、忙しい人(意志の弱い人)でもできるようにして!
一週間だけなのに…?そうですね…では、最低限守ってほしいことをここに列挙しますよ。
これならどうです?できそうじゃないですか???僕は河原さんならできると思いますよ。
あとはせっかくなので、腸活に良いルールでやってみましょうか。
最低限ガイドラインを守りつつ、5:2ダイエット…ん〜やってみるか〜〜〜!!!
河原さんがどんな変化を感じられるのかが気になります。ちゃんと自分と向き合う時間がスタートですね。
〜後編へ、続く〜