外から帰ってくると手洗い・うがいをしましょう、などはこれまで習慣的に行われてきましたが、近年ではお店の出入りの際や商品を触る前など日々の生活のあらゆるタイミングで消毒をすることが増えてきました。そのような新たな生活様式の中で、外から菌を取り込む機会が、私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか。

中でも、妊婦の方に着目し、大規模な調査結果から見えたことについてご紹介します。

山梨大学の研究チームは、環境省の「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」による約 8 万組の親子のデータを用いて、妊婦の職業上の消毒液の使用状況と子どもの 3 歳時点におけるアレルギー疾患との関連について調査しました。

その結果、消毒液の使用頻度が高い妊婦から生まれた子どもほど、3 歳時に気管支喘息やアトピー性皮膚炎になる割合が高いことが明らかになりました。

消毒液は、昨今問題となっているような感染症予防に有効ではありますが、それと同時に外からの菌の触れ合いの機会を減らすことにも繋がります。

とはいえ感染症対策も必要ですので、消毒はなかなか避けづらい!という方は、積極的に外遊びをしてみてはいかがでしょうか。

参考:免疫力は外遊びから?子どものうちから自然と菌に触れることの大切さ

Reference : Kojima, R., Shinohara, R., Kushima, M. et al. (2022) Japan Environment and Children’s Study Group. Prenatal occupational disinfectant exposure and childhood allergies: the Japan Environment and Children’s study. Occup. Environ. Med., 79(8):521-526.