「タンパクを意識して摂りはじめてから、お腹の調子が悪い」
「最近おならの臭いが気になる」
「タンパク質の摂りすぎはお腹に悪いの?」
このようなお悩みや疑問をかかえていませんか?
昨今の筋トレブームにより、タンパク質が豊富な食事を意識して摂っている方も多いのではないでしょうか。しかし、むやみやたらにプロテインを飲んだり、タンパク質が豊富な食事を摂りすぎたりすると、腸内環境を乱す原因につながる可能性があります。
そこで今回は、タンパク質と腸内環境の関係について詳しく知りたい方へ向けて、タンパク質の摂りすぎが腸に与える影響についてお話いたします。
タンパク質の摂りすぎは腸に悪影響?
タンパク質を摂りすぎると、食物繊維の摂取で増加するはずの細菌の割合を減少させたり、有害な物質をつくりだす細菌を増加させたりする可能性があります。 (*1)
その結果、便秘や下痢を引き起こしたり、お腹にガスがたまったりするのです。そのため、お腹の調子が悪かったり、おならの臭いが気になったりする場合は、タンパク質の摂りすぎが原因である可能性があります。
1日あたりのタンパク質の適切な量は?
「タンパク質の摂りすぎがお腹によくないことはわかったけど、適切な量はどのくらいなの?」と疑問に思っている方へ、ここではタンパク質の1日あたりの必要量の大まかな目安をご紹介します。(*2)
<1日あたりのタンパク質摂取量の大まかな目安>
成人男性:80〜135g
成人女性:65〜103g
※タンパク質の摂取量は、身長体重などの体格や普段の運動量などを考慮して決めましょう。
腸活でおすすめのタンパク質と食事
ここでは腸活(腸内環境を整える活動)をする上でおすすめの、タンパク質が豊富な食材を紹介します。
魚介類
アジやイワシ、サバなどの青魚に含まれる油は良質なものが多く、血中コレステロールや中性脂肪を減少させたり、血液をサラサラにしたりする「不飽和脂肪酸」を豊富に含んでいます。また、タラといった白身魚もタンパク質が豊富でおすすめです。
豆類
豆腐や納豆、豆乳などの大豆製品は、タンパク質とともに食物繊維も摂取できる食材です。食物繊維は腸内細菌のエサとなるため、腸内環境を整えるのに役立つ成分です。
大豆以外にも、ひよこ豆や枝豆などの豆類もおすすめですよ◎
また、タンパク質が豊富な食材といえば、お肉を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
お肉は、タンパク質を効率よく摂取する上ではよいものの「飽和脂肪酸」といった、腸にあまりよくない脂質を多く含んでいます。そのため、腸内環境を整えるためには、お肉をたくさん摂るよりも、魚や豆類を選ぶほうがよいでしょう。
お腹の調子を整えるためには、タンパク質ばかりの食事にかたよらず、食物繊維や、からだのエネルギー源となる炭水化物も一緒にバランスよく摂るように心がけてください。
まとめ | タンパク質の摂りすぎは腸内環境に悪影響
お腹の調子が悪い原因には、普段の食事におけるタンパク質の量が多く、食物繊維やオリゴ糖、炭水化物の量が少ない可能性があります。
タンパク質は健康なからだづくりのために必要な栄養素ですが、適量を守り、お米などの炭水化物や野菜、果物類もきちんとバランスよく食べるようにしましょう。
引用
*1:福田真嗣(2019)もっとよくわかる! 腸内細菌叢、羊土社
*2:日本人の食事摂取基準 たんぱく質(2020 年版)、厚生労働省