妊娠すると、お腹にいる赤ちゃんのために気をつけたいのが食習慣。子どもが健やかにお腹の中で成長する上で欠かせません。
また、妊娠中はホルモンの影響や運動不足が原因で便秘になる方も多くなります。
そんな便秘でお悩みの方はサラダなどで”食物繊維”を食べることを意識されている方も多いのではないでしょうか?
そんな方々に朗報です!
お母さんが妊娠中に食物繊維をたくさん食べることで腸内細菌のはたらきが高まり、赤ちゃんの体質(肥満やアレルギー)に良い影響を与える可能性があるかも?
そこで、妊娠中の食物繊維摂取と赤ちゃんの健康について、研究結果をもとにお話いたします。
食物繊維が赤ちゃんの肥満予防に効果的?
2020年に行われた妊娠したマウスを使った実験で、食物繊維の有無と子どもマウスの肥満傾向について調べられました。
その結果、食物繊維を含まないエサを食べた母マウスから生まれた子マウスに比べて、食物繊維を含むエサを食べた母マウスから生まれた子マウスのほうが、肥満になりにくいことが分かりました。(*1)
これは、「短鎖脂肪酸」が鍵を握っていると考えられます。
私たちの腸内細菌は食物繊維やオリゴ糖を発酵して「短鎖脂肪酸」(酢酸、酪酸、プロピオン酸など)を作り出します。
この研究でも、母マウスの腸内細菌が食物繊維をエサとして食べ、発酵により作られた短鎖脂肪酸の一部が血液を介してお腹の中の子マウスに届けられることで、肥満になりにくくなっていると考えられています。 (*1)
お母さんの腸内環境が子どものアレルギーにも関係?
また、別の研究では、お母さんの妊娠時の腸内環境が生まれてくる子どものアレルギーにも影響しているという報告もあります。(*2)
特に、お母さんの腸内に「プレボテラ」と呼ばれる菌が存在することが、子どものアレルギー発症リスク低減を助けることがわかったそうです。この「プレボテラ」と呼ばれる菌を腸内に持つお母さんは、食物繊維を多く食べる傾向にあったことからも、妊娠時に食物繊維をしっかり補った食事を摂ることが重要であることは間違いなさそうです。
まとめ | 妊娠時の食事は食物繊維も意識してみて
肥満やアレルギーは遺伝などの影響も大きいため、完全に予防することは難しいですが、食物繊維を食べることでそのリスクを下げることができるかもしれません。
また、妊娠中は味覚の変化などからあまりご飯が食べられない…という方もいるはず。
無理をしない程度の食事量や食事内容を心がけつつ、お母さんと子どもの健康的な体づくりの一環で食物繊維を意識してみましょう。
また、食物繊維は血糖値の上昇を抑えるなどダイエット効果も期待できます。
野菜や果物、ご飯などの穀類の中で、取り入れやすい形で食物繊維を食事にプラスして、腸と自分の体をいたわりながら妊娠期間を過ごしましょうね!