新年度がスタートしてちょっと経つと5月病に苦しむ人が増えるけど、そもそも5月病って病気なのか?

伊藤大樹 | AuB株式会社 CS/事業企画
大学卒業後、ディスカウントストアに新卒入社。その後2020年にAuBに中途で入社し、フードテック事業の立ち上げ間もない頃からサイト運営やマーケティング領域などで様々に関わり、事業の成長を牽引。現在はCSの観点から日々お客様との接点づくりと、そこから生まれるコミュニケーションを社内に循環させることに注力している。

何か私に聞きたいことがある顔してますね。

冨士川凛太郎 | AuB株式会社 取締役兼研究統括責任者
1980年生まれ、熊本県出身。2008年、豊橋技術科学大学大学院工学研究科博士後期課程修了。2016年からAuBの立ち上げに参画。これまで40競技950人以上のアスリートの腸内細菌を検査し、その腸内細菌データを元に人々のベストコンディションを実現させるための研究に取り組む。

(バレてた…)毎年新年度がスタートしてちょっと経つと5月病が話題になりますが、5月病の正体って一体なんなんでしょうか?

確かに「病」とつくくらいですから病気だと思われがちですが、五月病とは気分の落ち込みや体調不良といった”状態の総称”のことを指します。

状態の総称…。ということは病気ではないんですね?

はい。医学的な病名ではありません。ただ、結果的に状態がひどいと「適応障害」や「うつ病」と診断されることも多いです。5月病は、生活環境が大きく変化した人に起こりやすいイメージがあると思いますが、そのため適応障害に該当するケースが多いですね。

なるほど。ちなみに冨士川さんは5月病になった経験はありますか?

思い返すと、新卒1年目は程度が軽い5月病だったかもしれません。1年目は体調を崩すことが多かったです。

やっぱり最近は無いですよね?キャリアを積んだ人はあまり5月病になっているイメージがないですね。

そうですね、最近は5月病になっていませんね。もちろんキャリアを積むと、学生から社会人に切り替わる時ほどの生活環境の変化は無いというのもありますし、最近は当時に比べて体調管理を徹底的に行なっていますから。

やっぱり4月末〜5月くらいになると、AuBにコンディショニング面談に来る方の中に5月病の方もいらっしゃるんですか?

そうですね、時期的には多くなります。新卒の方でなくても、4月に転職する人は多いですから、年次問わずこの時期に体調を崩す人は多くいらっしゃいます。そもそも5月病は「学校や職場が変わることで、起床時間等の生活リズムが変化しストレスとなる」「新しい人間関係の構築に疲弊する」「思うように仕事を覚えられない・成果が出ない」といった要因から体調を崩すことが主なので、年齢は関係ないと思います。

そう考えると、体調管理を徹底的に行うことが5月病対策とも言えるのでしょうか?

言えると思います。同じ時間に寝て・同じ時間に起きると言った規則正しい生活をして、発酵食品を毎日摂取して、季節の食材など多様な食材を意識的に摂取することは5月病対策にも重要です。人間関係の構築や対人のストレスは自分でコントロールできないものも多いと思うので、自分でコントロールできる睡眠や食事をどれだけこだわれるかが大事ですね。

そう考えると、腸活を通したコンディショニングも自身でコントロールできるので、手軽で良いですよね。

その通りです。自分でコントロールできることに集中することも、コンディショニングにおいては非常に重要なことです。外部環境に対して対策しようとしても、思い通りにならないことが多いですからね。ただ、そのあたりの勘所が社会人1年目だとわかりにくいことが、新卒が体調を崩しやすい要因の1つなんじゃないかと。

もし今、大学を卒業し初めて社会に出る新卒1年目の方に対してアドバイスをするならどんな言葉をかけますか?

社会人1年目は、良いことも悪いことも全てがストレスに感じると思います。覚えることがたくさんある一方、使えるお金や時間が少ない年代でもありますから、まずは睡眠時間を十分確保することを優先的に考えることをお勧めします。腸のプロフェッショナルから言えば、きちんと寝ることも、立派な腸活ですからね。

新卒1年目の時の自分に届けたい…。

また、最初は歓迎会や親睦会、同期会など、飲み会が多いかと思うので、食生活が乱れやすくなります。そんな中でも朝食はきちんと摂取してほしいです。バランスの良い食事は難しいと思うので、せめて具沢山のお味噌汁を作って食べてほしいです。具体的には、食物繊維を沢山摂るようにすることですね。

新卒ではないけど、新しい環境にチャレンジしたり、体調管理に不安を覚えている方に対してはどうですか?

あれもこれもやろうとせず、とにかく食物繊維と発酵食品の摂取による腸活だけはしていただきたいです。

食物繊維と発酵食品の摂取による腸活だけとはいっても、それさえも時間が足りない…という声が聞こえてきそう。

まあ、気持ちはわかります。自炊で毎日実現するのは難しいと思うので、サプリメント等を活用されると良いでしょう。食物繊維は多様な種類の繊維が配合されているものを摂取することで、色々な菌を育てることができます。

菌のサプリメントも、乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌など多くの菌が入っているものがおすすめですよね。

そうですね。多様性がとても大事です。

そういえば、うちの代表は5月病になったことはあるのだろうか…?

うーん、聞いたことないけど、なさそう。

ですよね(笑)5月病になる人と、ならない人の違いってなんなんですかね?

あくまで私の仮説ですが、”ロバストネス”があるかないかですね。

ロバストネス…?

ロバストネスというのは、日本語訳すると”頑健性”です。季節の変化や環境の変化は、避けようと思っても避けられるものではありませんから、何が起きても動じないロバストネスを鍛えることが重要です。

具体的にはどうやって鍛えたらいいんでしょう?

いろいろ方法はありますし、人によって合う・合わないはありますが、適度な有酸素運動や、筋トレなど、継続的に体を鍛えることも重要です。また、合わせてケアすることも怠らないこと。鍛えるだけの人もいますが、鍛えることとケアすることのバランスが重要なんです。

そういう意味だと腸活はケアすることの1つなんですかね?

おっしゃる通り。そしてもう1つ重要なのは、対処としての体調管理ではなく、そもそも体調を崩さないための予防として体調管理です。腸活は後者に該当しますから、日常的に取り組むことが重要なのです。

あ、啓太さん。1つ質問しても良いですか?

はい、どうしました?

5月病になったことあります?

ない。

やっぱり。