お、冨士川さんは今日もお客さんとのコンディショニング面談か。

伊藤大樹 | AuB株式会社 CS/事業企画
大学卒業後、ディスカウントストアに新卒入社。その後2020年にAuBに中途で入社し、フードテック事業の立ち上げ間もない頃からサイト運営やマーケティング領域などで様々に関わり、事業の成長を牽引。現在はCSの観点から日々お客様との接点づくりと、そこから生まれるコミュニケーションを社内に循環させることに注力している。

「もしかすると、腸疲労かもしれないですね。」

冨士川凛太郎 | AuB株式会社 取締役兼研究統括責任者
1980年生まれ、熊本県出身。2008年、豊橋技術科学大学大学院工学研究科博士後期課程修了。2016年からAuBの立ち上げに参画。これまで40競技950人以上のアスリートの腸内細菌を検査し、その腸内細菌データを元に人々のベストコンディションを実現させるための研究に取り組む。

ん?腸疲労?

「ありがとうございました。また何かあれば、いつでもLINE@などでメッセージくださいね。」

冨士川さん、腸疲労ってなんですか?

あべさんお疲れ様です。

頭が疲れたとか、カラダ(筋肉)が疲れたとか、そういった言葉はよく聞くと思うのですが、腸が疲れた(腸疲労)と言う言葉はあまり聞き馴染みがなくて。

腸の粘膜が荒れている状態を腸疲労と表現したりします。確かにあまり日常生活では使わない言葉かもしれませんが、腸疲労でコンディションを崩している人は結構多いんですよ。

そうなんですか?もう少し腸疲労について詳しく知りたいのですが。

腸の粘膜が荒れると隙間ができてしまいます。隙間ができると、通常なら体内に入ってこないような物質が入ってきてしまい、全身の炎症につながるリスクがあるんです。これを「リーキーガット(腸もれ)」とも言います。

リーキーガット?なんだかかっこいいですね。

字面はかっこいいですが、いいものではありません。普段は問題なく食べれている食材でも、なんとなく体が受け付けなくなっているようなときは腸疲労が起きている前兆かもしれません。

腸が疲れると良くないことはわかったのですが、具体的にどんな悪いことが起こるか教えて欲しいです。

一般的に腸には、食べ物を消化する、栄養素や水分を吸収する、不要なものを便として排出する、という機能があるのですが、腸疲労を起こすとこれらの機能が低下してしまいます。

めちゃめちゃ厄介じゃないですか。

わかりやすく言うなら、便秘や下痢といった症状が現れます。そこから免疫機能の低下も引き起こすリスクがあるので、本当に注意が必要な症状なんですよ。

気をつけます。ただ、腸疲労のサインなどはあるのでしょうか?事前に気付けると嬉しいなと。

あべさんは、いつもと食生活を変えているわけではないのに、何故か便秘を引き起こしたり、下痢になってしまったことはありますか?

結構ありますね。

それは腸疲労のサインかもしれません。腸疲労が溜まると普段平気なものでも便秘や下痢になりやすかったり、肌荒れや鼻詰まりといったアレルギー症状として現れることがあります。

思い当たる節がかなりあって怖いです。何も気にせず「そんな日もあるか〜」くらいで見過ごしてきましたが、もしかしたら腸疲労が溜まっていた可能性があったんですね。

かもしれません。弊社に相談してくださる方でも、腸疲労の兆候が見られる方は多いですよ。

ちなみに、もし腸疲労が溜まったら、どうすれば回復するのでしょうか?

大前提、腸疲労が溜まっている=腸の粘膜が荒れていると言うことなので、腸の粘膜を強くする必要があります。

粘膜を強くする…。

そして、腸の粘膜を強くしてくれるのは酪酸菌です。

大腸内で食物繊維を分解し酪酸を作るあの酪酸菌ですね。

はい。酪酸は、肥満予防効果や免疫機能を整える効果のある短鎖脂肪酸のひとつで、大腸が活動するエネルギー源でもあるだけでなく、腸内環境を整える働きもあります。

と言うことは酪酸菌を補充すればいいってことですね。

その通りです。食材から摂取することが難しい場合は、サプリメントで補充してあげるか、酪酸菌が好む食物繊維をたくさん摂取することが重要です。

早速実践します。ちなみに冨士川さんはどんな時に腸疲労を感じますか?

わかりやすいのは、飲みすぎた次の日ですね。腸を酷使したことによる腸疲労+罪悪感で、コンディションが低下します。

その時はやはり酪酸菌を補充するんですか?

もちろんです。それ以外にも、朝ごはんを食べる前に、お湯に溶かした食物繊維ドリンクを飲みます。

どうして朝なんですか?

朝は腸内細菌にとってエサが無く枯渇している状態です。なので、朝に酪酸菌にとって良質なエサである水溶性食物繊維を摂取することが重要だと思っています。

なるほど。

お酒の場って肉系のものや脂っこいものがどうしても増えがちで、結果的に腸にとって良くない菌が増えているわけです。そこからきちんと腸内を酪酸菌優位に戻すために、効果的な食物繊維の摂取と酪酸菌の補充が効果的なんですよ。

脳腸相関と言う言葉があるくらいですから、腸疲労を取ることができれば、身体もココロも軽くなると思うので必ず実践します。そうすれば、飲み会も罪悪感なく参加でき、しっかりリカバリーできますもんね!?!?!?

とはいえお酒はほどほどに…。