近年、テレビやSNSで話題になっている腸活。家族で腸活を取り入れているという方も、いるのではないでしょうか?

実は、子どもの腸内環境は3歳〜5歳で決まるといわれています。そのため小さい頃に食べる食事が、子どものこれからの成長に影響を与えます。

参考:腸内環境は年齢とともに変化する?*食・生活習慣が鍵を握る

また、学校や保育園でのトイレへの苦手意識や普段の食生活によって、便秘で悩む子どもも少なくありません。

そして、小さい時の食事がこれからの食の好みにも関わってくるため、子どものうちから食育や腸活を意識したごはんを食べてもらうのがおすすめです。

そこで、今回は子どもの腸活におすすめな食材をご紹介します。大人から子どもまで家族みんなで腸に嬉しい食事を意識して、腸から子どもの健康を支えましょう!

子どもの腸活ポイント:いろんな食材を食べる

子どもの腸活ポイント:いろんな食材を食べる

私たちのお腹の中には約1,000種類、100兆個、重さにして約1.5kgの腸内細菌が住んでいて、「腸内フローラ」 を形成しています。そして、お腹の中に住む細菌はそれぞれいろんな働きを担っていて、子どもを含む私たちの健康を支えてくれています。

そんな細菌たちには、それぞれ好きなエサがあります。そのため、いろいろな食材を摂ることで、お腹にいるたくさんの細菌たちを育ててあげることが大切です。

ほかにも、いろんな食材をまんべんなく摂ることで味覚の形成良い栄養バランス食経験にも繋がります。

具体的な子どもの腸活食は?

①『発酵食品』でたくさんの種類の菌を摂ろう

①『発酵食品』でたくさんの種類の菌を摂ろう

腸内にいる細菌を育てるのもいいですが、外から体に良い細菌を取り入れるのも大切です。

そこで、体に良い影響を与える細菌(プロバイオティクス)で発酵して作られる発酵食品を食べましょう。発酵食品を摂ることで、腸にすでに存在する細菌を元気にする、増やすなどの効果があります。免疫力アップにもつながり、風邪や病気になりにくい体作りにつながりますよ。

【発酵食品】

ヨーグルト・キムチ・納豆・味噌・塩こうじなど 

【子どもの成長期に必要な栄養素も摂れる!おすすめ食材】 

  • ヨーグルト:骨の材料になるカルシウムも豊富です!
  • 納豆:血液の材料になる鉄分も豊富なので、継続して食べやすい食材です◎

また最近では、乳酸菌が入ったチョコレートやクッキー、ドリンクなども増えています。腸活に適した食材をおやつに取り入れるなど、子どもが美味しく腸活を楽しめる工夫もおすすめです。

②いろいろな種類の菌のエサを摂ろう

②いろいろな種類の菌のエサを摂ろう

腸内に住むたくさんの細菌を育てるには、「エサ」が重要です。そんなエサとなる栄養成分は「水溶性食物繊維」や「オリゴ糖」であり、プレバイオティクスと呼ばれます。

【水溶性食物繊維が含まれている食材】

野菜・果物・海藻・穀類・きのこ  

【オリゴ糖が含まれている食材】

豆乳・玉ねぎ・ごぼう・はちみつ

できる工夫としては、朝食で食べるヨーグルトにバナナやオートミールを加える、スープの具材に野菜を入れるなど、日頃の食生活で簡単に腸活が実践できます。

※腸内に住んでいる細菌は菌によって好みのエサが異なるため、できる限りさまざまな食材から菌のエサを摂るように心がけましょう。

【子どもの成長期に必要な栄養素も補うおすすめ食材 】

●柑橘類(みかんやオレンジなど):鉄分の吸収や身体作りに重要な、コラーゲンの生成に関わるビタミンCも豊富です。 

●きのこ類(しいたけ、しめじなど):骨の成長に重要なビタミンDも豊富に含まれています。

【継続しやすいおすすめ食材 】

ココア:実はココアにもリグニンという水溶性食物繊維が含まれており、飲むことで便通改善に繋がることが報告されています。子供には毎日継続して摂りやすいのでおすすめです◎オリゴ糖が豊富な豆乳と合わせて摂ると、より効果がUP!(*1)

まとめ

まとめ

腸内環境を整えることは子どもの健やかな成長や、風邪に負けない強い体をつくるためにも重要です。3歳〜5歳までに腸内環境が決まるといわれているため、この時期の食事が子どもの成長を左右するといっても過言ではありません。

また子どもの腸活で大切なのは、「多様性の高い」腸内環境をつくること。発酵食品や食物繊維、オリゴ糖などを日頃の食事にプラスするだけで、簡単に腸活を実践できます。

特に小さい時の食事がその後の食嗜好に影響するため、子どものうちから腸活を意識した食事を摂り入れてみてくださいね。

今より1つでも摂る食材を増やして、多様性の高い腸内環境を目指しましょう。

引用

*1:杉山 和久ら (2017) カカオ由来リグニンによる便通および便臭改善の検証試験-無作為化二重盲検クロスオーバー試験-, Jpn. Pharmacol. Ther., 45(4), 653-62