子どもが健やかに成長するために、いろんな方法を試しているパパ・ママは多いのではないでしょうか。

子どもの成長のためには、やはり食事、運動、睡眠、ストレスケアが重要です。

中でも、腸の健康はとても重要。おなか(腸)の中には1000種類以上、100兆個の腸内細菌がすんでいます。腸内細菌は、免疫力や消化吸収にも関わるため、将来の健康を支えるもの。そのため、子どものうちから腸活を取り入れることをお勧めします

そこで今回は、子どもの健やかな成長に欠かせない腸活を提案します。

腸は子どもの成長に欠かせない役割を担っている

成長のためには、体を作る材料である食事が必要不可欠ですが、食事から栄養素を消化・吸収するためにも腸が元気に働くことが大切です。

炭水化物、タンパク質、脂質などの栄養素をしっかり吸収することはもちろん、最近ではビタミンの30%を腸内細菌が作るなど、栄養と腸は深い関係にあることがわかってきています(*1)。

つまり、子どもの健やかな成長にはおなか(腸)のケアが欠かせないということ。ぜひ、子どもと一緒にできる腸活に取り組んでみましょう!

子どもの腸内環境を把握するならうんちを観察しよう

まず子どもの腸内環境の状況を把握するなら、うんちを観察する(観便)ことをお勧めします。最近は、腸内フローラを検査によって明らかにするサービスが増えており、手軽に検査ができるようになりましたが、高頻度で検査するわけにはいきません。

一方で、うんちを見ることは毎日できること。ぜひ親子で一緒に観便をして、日々のうんちをモニタリングしてみましょう。

例えば、腸に良い食事をした日のうんちと、お菓子をいっぱい食べてしまったときのうんち、それぞれを親子で観察して違いを見てみてみるのもおすすめです。

うんちの理想の状態(色、形、匂い)はこちらの記事で解説しています。

うんちを見て自分の腸と体の状態をチェック!理想のうんちの状態は?

子どもの成長を支える!親子でできる腸活方法

子どもも食べやすい発酵食品と食物繊維、オリゴ糖を意識してみて

大人と同様、子どもも腸に良い食事をすることで、腸内環境を整えることができます。

腸に良い菌を摂るための発酵食品、腸内の良い菌を育てるための水溶性食物繊維、オリゴ糖を意識して日々の食事やおやつに取り入れてみてください。

<子どもにピッタリな発酵食品>

  • ヨーグルト
  • お味噌
  • 納豆

<子どもにピッタリな水溶性食物繊維、オリゴ糖>

  • 干し芋
  • 雑穀おにぎり
  • バナナ
  • りんご
  • いちご
  • きのこ
  • 豆乳
  • オリゴ糖シロップ

他にもおすすめをこちらでご紹介しています。

【子どもにおすすめの腸活食材】腸をケアして子どもの成長を支えよう

適度に運動をしましょう

健康の土台である体づくりに、運動は欠かせません。毎日外で元気に運動することで、筋肉や骨の発達だけでなく交感神経を優位にさせ、血流も良くなります。

また、交感神経が優位になると、その反動で副交感神経が優位になり、消化活動が活発になります。そして運動で腸腰筋も刺激されることで、腸がしっかり動くようになります。

外で遊ばない場合は、フラフープなどもおすすめです。お腹をしっかり動かすほか、バランス感覚や全身をしっかり使った運動につながるので、ぜひお家にフラフープを置いてみてください。子どもは興味を持ってフラフープで遊び出しますよ。

ただし、食後すぐの運動は避けてください。食後は消化活動のために血流が腸へ集中しますが、運動をしてしまうと筋肉に血流が集中し、消化不良の原因にもなります。

睡眠をしっかりとる

「寝る子は育つ」という言葉もある通り、子どもはたくさん寝ることで健やかに育ちます。寝ている間に成長ホルモンが分泌されること、日中動き回って疲れた体を睡眠によって休めることで、翌日も元気に遊ぶことができるなど、たくさん寝ることはいいことづくしです。一方で、子どもの睡眠時間は減少傾向にあり、成長にも影響するため気を付ける必要があります(*2)。

子どもにとっての良い睡眠のためにも、まずは朝早起きして1日のリズムを作りましょう。

ちなみに、早起きしている子どもほどうんちの回数が多いという調査結果があります(*3)。早寝早起きで時間にゆとりがあれば、トイレの時間を取ることができ、朝食を含め三度の食事をしっかり摂ることは便秘予防に重要です。

ストレスをケアする

大人だけでなく子どもにとっても、ストレスは腸内環境を悪化させる原因の1つです。子どもにとってのストレスはさまざまですが、まずはパパ・ママが「あなたをちゃんと見てるよ」と精神的に安心させることが重要です。

例えば子どもをぎゅっと抱きしめる、子どもと一緒にリラックスして入浴するなど、触れ合うこともストレスケアのひとつです。

他にも、外で元気に遊ばせる、好きな食べ物を極端に我慢させない、など、日常生活でできるストレスケアはあります。子どもの様子をよく見て、ストレスケアをしてみましょう。

まとめ|子どもの健やかな成長のために、腸を基本とした生活習慣で体づくりをしよう

腸は健康的な体の土台となる大きな器官です。子どもの腸内環境は2〜6歳で決まると言われており、この時期に腸をケアする生活習慣を取り入れることで、子どもの健やかな成長を支えることができます。

また、6歳を過ぎて思春期になると、子どもは自分の意思で判断や思考を始めますが、幼少期から腸活や成長のための良いライフスタイルを取り入れることで、その習慣はその後もずっと続きます。

大切な子どもの将来を見据えた体調管理のためにも、腸を基本とした生活習慣で成長をサポートしてあげましょう。

食事、睡眠、運動など、理想的にはそうしたいと思いつつも、お子さまの好き嫌いなどで思うようにいかない事もあると思います。ストレスケアも重要な要素ですので、親子で無理のない範囲で取り組んでみてください。

引用

*1:Nysten, J. and Van, Dijck, P. (2023) Can we microbe-manage our vitamin acquisition for better health? PLoS Pathog., 19(5):e1011361.

*2:厚生労働省、e-ヘルスネット、睡眠不足や睡眠障害、子どもへの大きな影響

*3:厚生労働省、平成27年度乳幼児栄養調査結果の概要、第二部 乳幼児の生活習慣や健康状態に関する状況