「赤ワインは健康にいい」ということはみなさんも何となく耳にしたことがあるのではないでしょうか。
赤ワインは、葡萄の果皮を除くことなく丸ごと用いて作られるアルコールであり、果皮部分に含まれる抗酸化物質「ポリフェノール」を含むお酒であり、発酵飲料です。
そんな赤ワインが、腸内細菌叢に良い影響を与えるという研究結果が報告されています。そこで今回は、赤ワインと腸内細菌の関係についてお話します。
赤ワインと腸内細菌叢の関係
健康な男性10名を対象にした研究で、20日間ごとに赤ワイン、ノンアルコール赤ワイン、ジンを摂取させて糞便中の細菌叢の変化が比較・検討されています。(*1)
その結果、赤ワインを飲んだ際において糞便中の細菌叢に特徴があり、健康に良いとされる菌やビフィズス菌が増加していました。
またこれら細菌叢の変化は、血圧や血中脂質プロファイル(コレステロールやトリグリセリドなど)の改善と関連しているとも報告されています。
ポリフェノールが腸内細菌叢バランスの鍵を握る?
赤ワインに含まれる「ポリフェノール」ですが、他にもココアや緑茶、一部の野菜・果物などにも含まれています。
また、これら赤ワイン以外の食事に含まれるポリフェノールについても研究が行われていますので、一部ご紹介します。
・ココア由来のポリフェノールが豊富な食事を摂取すると、ポリフェノールの少ない食事と比較して、糞便中のビフィズス菌と乳酸菌の存在量が有意に増加した(*2)
・野菜・果物ジュースを中心とした食事を3日連続で摂取することで、腸内細菌叢を良好に変化させた(*3)
・緑茶の摂取は、ビフィズス菌の割合を増加させ、腸内細菌の発酵促進と短鎖脂肪酸などの代謝産物を増加させた(*4)
このように、ポリフェノールと腸内細菌叢の関係は日々研究が進んでおり、これからも注目の栄養成分ではないでしょうか。
まとめ | お酒を飲むなら赤ワインも選択肢に入れてみて
お酒といえば、ビールや焼酎、カクテルなどを選ぶ方が多いですが、ぜひ赤ワインも選択肢のひとつに追加してみましょう。
赤ワインのポリフェノールは、腸内細菌のエサのように働くプレバイオティクス的なはたらきを示すようです。
ただし、飲む量には注意が必要。「健康日本21(第一次)」によると、日本人の一日あたりの1日平均純アルコール量は20g程度とされています。(*5)これは、赤ワインでいうと軽めのアルコール濃度で1杯程度。また、お酒だけでなくお水も飲みながら、嗜む程度に飲むようにしましょう!