監修者
広瀬歩美 | 管理栄養士、博士(医学)

千葉県出身。お茶の水女子大学卒業後管理栄養士国家試験合格。生活習慣病専門クリニック勤務を経て、2013年に筑波大学大学院にて博士(医学)を取得。私立大学にて「子どもの食と栄養」等の講義を担当する中で、自身も独学で保育士資格を取得した。論文や学会で成果発表する傍ら、市民講座や小中学校での講演会も多数行った。現在はフリーランスとして、商品開発や食堂メニューの監修、オンライン栄養指導などを行っている。

「長男がアレルギーで牛乳を飲めなくて、栄養素は足りなくならないかな?」

「乳製品を使うおやつ、どうしたらいい?」

子育て中のパパ・ママの頭を悩ませるのが、子どものアレルギー。

表示を確認しながらアレルギー成分を避ける中で、栄養のことが心配になったり、なるべく周りと同じようなものを食べさせられたらなぁと思ったりしますよね。

そこでこの記事では、乳アレルギーを持っている子どもの栄養補給のポイントや、乳成分の代わりとなる食材についてご紹介します。

ヴィーガンや乳糖不耐症など、最近では乳アレルギー以外の理由で牛乳・乳製品をとらない人も実はたくさんいるので、代替食品となる市販品もたくさん売られているので安心してくださいね!

この記事では、成長期の子どもに必要な栄養素を補うコツを解説していきますね。

牛乳や乳製品はカルシウムの補給源になる

牛乳や乳製品は、成長に欠かせないカルシウムの効率の良い補給源です。

実は、乳アレルギーを持たない子どもでも、学校給食以外でのカルシウム摂取は不足がち(*1)。

学校給食では、子どもが1日に必要とするカルシウムの50%以上をとれるように設計しています。

その中でも牛乳はカルシウムが多く、1本(200ml)で1日あたりに必要なカルシウム量の約半分を満たすのです(*2)

3-7歳のカルシウム推奨量は、男の子600mg/女の子550mg(*3)ですが、牛乳1本で約230mgのカルシウムをとれます。

そのため乳アレルギーがある子は、積極的に他の食材からカルシウムをとっていきましょう!

カルシウムを多く含む食品と摂り方のポイント

牛乳・乳製品以外でカルシウムを多く含む食品には「大豆」「小魚」「骨も食べやすい魚」「葉物野菜」などがあります。

ひとつの食材だけで必要なカルシウム量を補うのは難しいので、これから紹介するような食材の中で色々組み合わせてみてくださいね。

大豆

豆腐を使うなら、絹ごし豆腐よりも木綿豆腐の方がカルシウムを多く含みます。

味噌汁一杯に50gの豆腐を入れた場合、絹なら約37mg・木綿なら約47mgのカルシウムがとれます。

納豆は、1パック(40g)あたり約36mgのカルシウムを含みます。

朝や夜に、納豆ご飯や豆腐のみそ汁を食べてみてはいかがでしょうか。お味噌汁は腸活にもなるので、私も毎日食べています!

小魚

小魚は、ご飯にかけたり、おにぎりに混ぜ込んだりするのがお手軽です。

桜えびなら、スプーン1杯(約2g)だけで、40mgほども摂取できますよ。天かす(揚げ玉)や、同じくカルシウムの多いごまを一緒に混ぜると食べやすくなりますよ。

また、柔らかくて食べやすい、しらす干し微乾燥では約6mgのカルシウムをとれます。ちりめんじゃことも言う、半乾燥品ならもう少し多い約10mgです。

小魚は、お浸しにのせても美味しいですよ。少し塩味があるので、その分お醤油を減らせたら大人の健康にもバッチリです。

骨も食べやすい魚

骨も食べやすい魚は、メインのおかずになります。

例えばししゃものフライは、学校給食でも人気のメニューですが、一尾(約15g)に54mgのカルシウムを含みます。

また、イワシの丸干しは半尾(約20g)で114mg、サバ缶は1/4(約30mg)で78mgもカルシウムを含みます。

骨ごと食べるのに抵抗があるなら、身も骨も細かくしてハンバーグにし、照り焼きのタレをつけると子どもが好きな味になるのでおすすめです。

カルシウムの多い野菜など

日々食べる野菜の中でも、カルシウムが多いものを意識的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

カルシウムを多く含む野菜・海藻を、幼児も食べられる小鉢小盛り(約30g)でご紹介します。

  • モロヘイヤ:約51mg
  • こまつな:約45mg
  • ひじき:約30mg
  • 切り干し大根:約25mg
  • ブロッコリー:約12mg

モロヘイヤは、ほうれん草と同じように茹でてお浸しにするといいですよ。

モロヘイヤはあまり食べ慣れないかもしれませんが、味にクセもなくネバネバしていて、子どもでもわりと食べやすい野菜です。100gあたりの食物繊維量はなんとごぼう以上!水溶性食物繊維が多いので、腸にも優しい食材です。

牛乳を使った料理の代用品とコツ

牛乳を使った料理は、そもそもなくても作れるものもありますし、植物性ミルク・市販品で代用することもできます。

身近な食材での代用

バターと牛乳で作るホワイトソースは、実は油と水で代用して作れます。濃厚さが減るのが気になる場合は、コンソメで味をつけたり、水ではなく豆乳を使ってみるのもおすすめです。

また、温めた豆乳にレモン汁を混ぜ加えてしばらく置き、濾すとカッテージチーズ(風)も作れますし、豆乳ヨーグルトも手作りできますよ。

植物性ミルクの活用

豆乳以外にも、最近はヴィーガン市場の拡大により色々な植物性ミルクが登場しています。

味や特徴、価格もさまざまなので、試しに使ってみてはいかがでしょうか。

牛乳の代わりとして使う場合には、「無糖」のものを選ぶのがポイントです。

●豆乳:大豆でできているのでたんぱく質が補給でき、牛乳ほどではないがカルシウムも含む。値段も牛乳より少し高い程度なのでお手頃。

●アーモンドミルク:アーモンドの風味が残っているため、お菓子作りにも合う。豆乳よりもさらに少し高い。

●ライスミルク:お米を原料としており、あっさりした味わいで低脂質。まだ日本製のものがあまりなく、他の植物性ミルクに比べると価格は高い。

例えば、ヨーグルトを食べさせたい…!と思った時は、豆乳でできたヨーグルトでも良いですし、子どもの腸活の観点で言えばサプリメントを活用するのもひとつの手でしょう。

市販品の活用

ケーキのデコレーションに使うホイップや、チョコレート、甘くて美味しい菓子パンなど……どうしても手作りできないものもありますよね。

そんな時は、市販品を活用しましょう!

大手スーパーが乳成分を使用しないチョコレートを製造・販売していますし、豆乳ホイップもネットスーパーで、乳成分入りのホイップとそこまで変わらない値段で購入できますよ。

アレルギー対応パンなどをインターネットで購入する際の良い点は、冷凍で届くところです。食べる分だけ解凍できるので、多めに買っても安心です。

乳アレルギーでも食事を楽しもう!

この記事で紹介した大豆製品や小魚、野菜はカルシウム以外にもさまざまな栄養を含むので、アレルギー関係なく、成長期の子どもも大人も、みんなに食べてほしい食材です。

今回は主にカルシウムのとり方という観点で紹介しましたが、とりきれない分のカルシウムはサプリメントで補うという手もあるので、どうか悩まないでくださいね。

市販品や代替品も積極的に活用することで、食事がより楽しくなりますように。

参考:子どもの成長に欠かせない!カルシウムとビタミンDをいつもの食事でプラスするには?

引用

*1:  独立行政法人日本スポーツ振興センター.平成22年度 児童生徒の食事状況等調査報告書【食事状況調査編】

*2: 文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

*3: 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2020年度版