日々の慌ただしい生活の中、子どもに朝食を食べさせるのはとても大変ですよね。

朝ごはんを食べさせないといけないことは重々わかっていても、目の前には大変な準備となかなか食べない子ども……。

あっという間に保育園への出発時間になり、朝からイライラしてしまうのはあなただけではありません。

そこで、忙しい朝に子どもが朝食をとるコツをお伝えします。

管理栄養士の私ですが、朝から包丁や火を使うことはほとんどありません。子どもの2人と自分の支度、食事準備以外の家事で精一杯!そんな時もできる工夫はたくさんありますよ。

子どもが朝ごはんを食べない…なぜ?どうしたらいい?

子どもが朝ごはんを食べない...なぜ?どうしたらいい?

子どもが朝ごはんを食べられない場合、「食欲がない」という子ども側の理由と、「朝食の用意ができない」という親側の理由があります。

どちらも当てはまる場合も多いですが、それぞれ分けて対策を考えてみましょう。

子ども自身に食欲がない

「家を出る時間から逆算して考えると、もう起きないとご飯を食べられない!」という、ギリギリに子どもが起きてきて、ボーッとテレビの前に座っている……こんな姿はありませんか?

目が覚めてからすぐご飯を食べられる人は、大人でも多くありませんよね。

「起きてからご飯を食べるまでの時間を長くする」「動いて、目覚める」ことが食欲を湧かせるコツです。

試してほしいことは次の2つです。

①今までより10分でも早く起きてみる
生活習慣を早寝早起きに整えたい時、「早く寝る」からではなく「早く起きる」から始めます(*1)。今までよりまずは10分、子どもを早く起こしてみてはいかがでしょう。

保育園のお昼寝で、遅くまで寝ていることはありませんか?朝早く起きられたら、その分保育園のお昼寝で早く寝付けて、少し早めに目を覚ませるかもしれませんよ。それで、夜も早く眠れるようになったら嬉しいですよね。

朝食準備の手伝いをしてもらう
朝も、できる範囲で子どもにお手伝いをしてもらいましょう!頭や指先を使ったり動いたりすることで体温が上がり、体が目覚めて食欲が湧きますよ。

朝にお願いするお手伝いの選び方は、親にとって本当に助かること。

「お手伝いをしてもらったはいいけれど後始末が大変」ではストレスになり続けられません。

すでにできる、休日にちょっと練習したらできる、くらいのものがおすすめです。

<幼児でもできるおすすめのお手伝い>
お皿にパンをのせる、家族分の箸やスプーンを並べる、トマトのヘタを取る、など

最初は大変ですが、少しずつ子どもが自分でできることを増やすと、そのうち親が楽になりますよ!私が寝坊した朝、小二の長男が自分でパン、ハム、ヨーグルトの朝食を用意して食べていたのをみた時は、万歳三唱でした(笑)

朝食の用意ができない:朝食の準備が大変

忙しい朝だから、フライパンや包丁を使うなんて無理…と思う方も多いと思いますが、朝から「料理」する必要は全くありません!そのまま食べられる食材を活用しよう。

■調理の手間が少ないおすすめ食材を活用しよう
食材を選ぶポイントは、「炭水化物、たんぱく質、野菜or果物」の3つから、ひとつずつ選ぶこと。それだけで栄養バランスもバッチリです。

・炭水化物を多く含む食品:パン、ごはん など

・たんぱく質を多く含む食品:卵、納豆、豆腐、牛乳、乳製品、ウインナー など

・野菜or果物:ミニトマト、バナナ、みかん、いちご など

「納豆ご飯」「チーズトースト」のように、炭水化物+たんぱく質のせるだけの組み合わせは、お皿も一枚で済むのでとても便利ですよ。

■1分で作れる!腸活にもなるおすすめメニュー

せっかくなら朝ごはんでも、腸活してみてはいかがでしょうか。食べやすく、混ぜるだけのお手軽メニューをご紹介します。

1分で作れる!腸活にもなるおすすめメニュー

・はちみつ豆乳
無調整豆乳に、はちみつで甘さを加えてみて。豆乳でたんぱく質を補えるだけでなく、豆乳・はちみつ両方にプレバイオティクスとなるオリゴ糖が含まれています。

・フルーツヨーグルト
ヨーグルトも、朝食の強い味方です。無糖ヨーグルトに、バナナやイチゴなど皮をむく手間のないフルーツを加え、はちみつやオリゴ糖で甘さを追加するのがおすすめです。

これなら子どもと一緒に準備もしやすいです。「冷蔵庫から豆乳出して、コップに注いでね」「バナナの皮をむいてね」など、できることを思い切って任せてしまうと、とっても助かりますよ!

朝ごはんは元気な生活にとっても大切

忙しい中朝ごはんを準備するからには、ぜひ朝ごはんのメリットを知っておきましょう!

午前中の活動エネルギーになる

午前中の活動エネルギーになる

朝ごはんは、その日の午前中を元気に過ごすために必要なエネルギー源です。

なぜなら、私たちが寝ている間も身体は一生懸命働き続けるので、夕食で得られた栄養素やエネルギーは使い切ってしまうからです。大人よりも食べられる量が少なく、食べる時間も早い子どもなら、なおのことです。

学校や園での重要な活動の多くは午前中にあります。朝から元気に活動できた方が、子どもが学校・園生活を楽しめそうですよ。

1日に必要なエネルギー・栄養素をとる機会になる

1日に必要なエネルギー・栄養素をとる機会になる

私たち大人と違い、子どもには「生きていく分」+「体を大きくする分(成長)」のエネルギー・栄養素が必要です。

3~5歳の子どもが1日に必要とするエネルギーは男児1,300kcal,女児1,250kcalです(*2)。

保育所では、昼食とおやつ(補食)を合わせて45%分、550kcal前後の食事が提供されるので、残りの750kcalを朝食と夕食で満たさなくてはなりません。

どう考えても、夕食だけではとりきれませんよね。だから、朝食が大切なのです!
成長に必要なエネルギーや栄養素を満たすために、朝ごはんは貴重な食事の1回だと考えましょう◎

生活リズムを整える

生活リズムを整える

朝ごはんは「1日を始めるよー!」という合図になります。

朝食によって、寝ている間に下がっていた体温が上がり、身体の中も本格的に活動を始めるようになれるからです。

また、朝ごはんにたんぱく質を作る材料となるアミノ酸のひとつ、トリプトファンを摂取することで、夜に眠りを促すホルモン・メラトニンが生成されます。

夜に良く眠れたらまた朝スッキリ起きられるという、生活リズムの好循環を起こせますよ。

朝食は大切だからこそ、手軽に済ませよう!

朝食は大切だからこそ、手軽に済ませよう!

幼児期に朝食をとる習慣を身につけておくことは、今はもちろん長い目で見た子どもの心身の健康にとって大切です。

ただし、親は「毎日大変すぎて目が回る」状態だと思うので、とにかく「手軽に」朝食環境を整えてみてくださいね。

我が家の子ども二人も、それぞれ生後6カ月から保育園に通っているので、幼児期は毎朝戦いでした。でも、長男が小学生として貴重な戦力になった今、かなり楽になりましたよ!

朝食をとって、親子で毎日元気に過ごしましょうね!

引用

*1: 子どもの睡眠|e-ヘルスネット(厚生労働省)
*2: 日本人の食事摂取基準(2020年版)|厚生労働省