ある日、goodcho編集部にこんな質問が寄せられてきました。

「野球選手の腸内環境ってどうなっているの?」

goodchoの運営元であるAuB株式会社は、アスリートの腸内細菌研究に強みを持ち、データ保有数は世界レベルです。このデータをもとに、正しい情報の発信や機能性・品質を科学的に追求した商品・サービスを開発しています。

今回は、長年アスリートの腸内細菌の研究を行ってきた弊社研究統括の冨士川に、「野球選手の腸内環境」について話を聞きました。

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野球選手に多い菌は、免疫機能に貢献している「コリンセラ」


冨士川さんは数々のアスリートの腸内環境をみてきたと思いますが、その中で野球選手ならではの特徴ってあったりするのでしょうか?

これまで主にサッカー・野球・陸上・ラグビーの選手たちの腸内細菌の特徴を調べる機会が多くありましたが、野球選手はコリンセラという菌が多いという特徴がありました。

コ、コリンセラ・・・?

あまり馴染みのない言葉かもしれません。コリンセラは、免疫機能に貢献している可能性が高いということで最近注目されている菌の一つです。

体調管理においてはとても大事な菌じゃないですか!

そうなんです。

ただ、コリンセラ菌はまだ未知の部分も多いんですよね。重要な菌なのであれば、皆様増やしたいと思うはずなのですが、文献を探ってみてもコリンセラ属を増やす方法というのはまだあまり見当たらないんです。

そうなんですね。となると、野球選手がどうしてコリンセラが多いかも分かっていないんですかね?

おっしゃる通りです。野球選手がなぜコリンセラが多いのかは、まだ分かっていません。

ただ、毎日のように試合がある野球選手にとって、免疫力は非常に重要です。過密なスケジュールの中でも体調を崩さないために腸内細菌もサポートしてくれているのかもしれませんね。

毎日健康に気を遣っていれば一定数保有できる菌…みたいな感じなんですかね。
逆説的ですが…。

「重要なのは量じゃなくて種類」野球選手の中でも特に腸が整っていた選手の特徴


ちなみに、野球選手の中でも特に腸内環境が整っていた選手は、どんな特徴がありますか?

もう安部さんも想像がつくかと思いますが、野球選手は食事量が多いです。

そのイメージはあります。

ただ、特に腸内環境が整っていた選手は、食事量が多い中でも主菜や副菜が多い。つまり、多様な野菜を食べていました。

ただ量が多いのではなく、野菜など食べる食材の種類も多いってことですね。

はい。
それ以外にも、肉、魚、豆などのタンパク質も多様な食材からよく食べていました。

あれだけ毎日ハードで強度の高い日々を過ごさなければいけないわけですから、タンパク質も必要になりますよね。

あきらめないで!野球選手に近づくための誰でも真似できるおすすめ腸ケア


野球選手って給料も多くもらっている選手も多いですし、お金があるから質の高い食材をたくさん買えると考えると、一般の僕たちはなかなか真似できませんね…

もちろん金銭面においてトップアスリートと比較すると難しい部分もあるかもしれませんが、近づく方法はありますよ。

え?あるんですか?

例えば野球選手は食事量が多いので、チームに所属されている栄養士さんは、よく噛んで食べることを指導されています。きちんと咀嚼することは、お金がかからず誰でも取り組めますよね。

確かに咀嚼だったら無料だし、今すぐ始められますね。

咀嚼することで腸内環境が良くなるという論文も最近報告されていましたし、よく咀嚼することは腸活であると言えます。

そんな論文があるんですか?

そうなんです。

マウスを使った論文ですが、同じエサでも粉末状にして与えたマウスと、固形の状態で与えたマウスでは、前者の方が便秘になりやすいという結果だったのです。さらに、粉状のエサを与えたマウスに咀嚼運動をさせると便秘が改善したという結果になりました。咀嚼することで唾液が出て消化吸収がよくなり、大腸に食物繊維だけが届きやすくなったのが理由かもしれません。

※参考:Impact of habitual chewing on gut motility via microbiota transition

なるほど、これは今すぐ真似するしかないですね!
この後の食事から取り入れてみます!