メンタル不調を抱えている人は「腸のトラブル」が起きている可能性がある
最近気持ちの浮き沈みが激しくて…。
年末年始になると仕事が忙しくなるからか、毎年同じような症状に悩まされるんです。
それは心配ですね。
なので、メンタルを整える方法をご存知であれば教えていただきたいのですが。
ちなみに石川さんは、下痢や便秘、腹痛などの症状は発症していませんか?
え?
なんでわかったんですか?
実は、メンタル不調を抱えている方は、下痢や便秘、腹痛といった腸のトラブルを抱えている人が多いようなのです。
初めて知りました。
とある調査では、メンタル不調を抱えている人は、抱えていない人に比べて大腸に病気があるわけではないのにも関わらず、腹痛や便秘、下痢などが続く過敏性腸症候群を発症している割合が高いことがわかっています。
確かに私も、この時期は毎回腸の調子が悪くなります。
でも、メンタルがなぜ腸と関係あるんですか?
一部の過敏性腸症候群は、腸内細菌が大きく関わっていると考えられています。
過敏性腸症候群患者の腸内細菌叢には、大腸菌、ストレプトコッカス、ルミノコッカスなどの菌が増加していたという報告もあるんです。
ス、ストレプコッカ…ス?
聞きなれない単語ですみません。
わかりやすいもので言うと、善玉菌と言われるビフィズス菌や乳酸桿菌が減少していました。
ビフィズス菌や乳酸菌は知っています。
それが減っているのは良くなさそうな気はしますね。
また、細菌の種類が変化するだけではなく、細菌の総数が増えるという説もあるんです。
それがどうして良くないんですか?
過敏性腸症候群になると腸粘膜は軽い炎症がみられることが多いのですが、細菌数が増えることによって炎症を起こします。
それによって免疫が活発になると腸の動きに影響を与え、腸の知覚が過敏になることが結果的に腹痛の原因になると考えられます。
腸の粘膜には幸せホルモンを出す細胞が存在する
難しいことはよくわからないのですが、つまり腸内環境を改善すれば、メンタル不調も改善する可能性があると言うことですか?
そう言うことです。
結構びっくりなのですが、あまり信じられません。
石川さんは、幸せホルモンって聞いたことはありますか?
セロトニン…でしたっけ?
そうです。
幸せホルモンとは、セロトニンやオキトシンと言ったメンタルを安定させるのに重要な神経伝達物質のことを言うのですが、腸内環境を整えると、この幸せホルモンを出す神経細胞が活性化してきます。
どうして腸内環境が整えば幸せホルモンを出す神経細胞が活性化させるのでしょうか?
幸せホルモンであるセロトニン、オキシトシンを出す細胞が、腸の粘膜にも存在するんです。そして腸内環境が良くなると、それらがたくさん分泌されます。
腸が良くなれば脳に刺激が伝わって脳の血流が良くなり、質の良い血液が流れることで、結果的にメンタルも整っていきます。
脳腸相関ってやつですか?
お、よくご存知ですね!
腸を整えるには「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」の摂取が欠かせない
とてもよく理解できました。
でも、腸内環境を改善するために何から始めればいいのでしょうか?
プロバイオティクスとプレバイオティクスを摂取してください。
またややこしいカタカナが出てきた…
簡単に説明すると、プロバイオティクスはヨーグルトや乳酸菌飲料です。プレバイオティクスは食物繊維ですね。
乳酸菌が腸に大事なのはなんとなくイメージがあるのですが、食物繊維も重要なんですね。
食物繊維は腸内細菌のエサになります。
質の良い乳酸菌、ビフィズス菌・酪酸菌を摂取しても、エサになるものがないと菌が育ちませんよね。
なんだか筋肉みたいですね。
筋トレが趣味の方にはその例えはわかりやすいかもしれません。食物繊維が菌のエサになることで善玉菌が増え、腸内環境を整えてくれます。
さらに、より暖かい環境である方が腸内細菌がよく働いてくれるとも言われていますので、運動したりお風呂に入ったりすることで、菌と食物繊維を摂取する効果が高まるかもしれません。
わかりました。
年末を穏やかな気持ちで乗り切るために、プロバイオティクスとプレバイオティクス両方を摂取しようと思います!