・2023年6月28日(水)開催
・タイトル:「家族で楽しむウェルネスの追求」カラダノートCEO佐藤氏が描く、デジタル時代の健康管理術
・登壇:佐藤竜也氏(株式会社カラダノート 代表取締役)
・モデレータ:鈴木啓太(AuB株式会社 代表取締役)
これまでgoodcho live now!では経営者の方のコンディション管理やメンタルヘルスについて、ゲストをお迎えしてお話してきました。そんな自分自身の健康を支えているのは、実は家族だったりします。
そこで、家族の健康とデジタルを掛け合わせて「家族の健康を支え笑顔をふやす」をビジョンに掲げる株式会社カラダノートの代表・佐藤竜也さんをゲストにお迎えしてウェビナーを開催しました。その様子を一部抜粋してお届けいたします。(当日の様子は参加者限定で全ての様子をアーカイブ配信しております。)
代償がない報酬はない|家族との時間を大切にしながら経営者として生きるための意識
本日はよろしくお願いします!佐藤さんとは以前こちらでお話させていただいたことがあるんですが、結構ストイックに体調管理をされているようにお見受けしています。
いやいや、割と普通ですよ。朝は生卵納豆かけご飯とヨーグルトですし、意外かも知れませんが会食にほとんど行かないです。
経営者だと会食多いんじゃないですか?って聞かれるんですが、ほぼないです。一般的な、皆さんのご実家でお父さんがやっていたような生活と変わらないと思います。
なるほど!実は前に佐藤さんのインタビュー記事で読んだんですけど、会食には行かずに家族の時間を作る、みたいなことをお話されていて。なぜ会食に行かなくても大丈夫なんですか?
もちろんゼロではないですし、必要な場合は行くんですが……
有名な本に書いてある一節の「代償がない報酬は存在しない」という言葉にあるように、全部を追求することは無理ですよね。僕の場合、仕事をうまく進めたい、そして家族を大切にしたいという優先事項があるなかで、じゃあ捨てられるものは何なんかと考えた時に、友達付き合いとかを列伍させているという感じです。
「代償がない報酬は存在しない」……ナポレオン・ヒルですね。
そうですそうです!
なるほど。それで、すごく佐藤さんのお人柄がバチッとハマったというか。ご家族や人生を大切にされている方なんだなという印象を受けました。
もちろん、会食に行かれている方がどうだ!というわけではなくて!
ありがとうございます!
話が戻りますが、先ほど言われていたような「朝ご飯は卵・納豆・ご飯にヨーグルト」という食生活習慣を続けられる人ってなかなかいないと思います。
あ、でも2日1回は子どもの要望でパンなんです。
さっきは少しカッコつけました(笑)
いやいや、よくある話ですよ!(笑)
朝食はしっかり食べる派ですか?
そうですね。
子どもいると、朝ご飯って食べませんか?
そうですね。
あと僕はアスリートの名残で朝食取らないと気持ち悪いというか…
ちなみにお酒は飲みますか?
外食の時に月2〜3回、ですかね。
家で飲んだのは、今年に入って数える程度です。
へー!
健康に気をつけているというよりは、そういう生活にどんどんなっていった、という感じですか?
そうですね、仕事のパフォーマンスを高めるという意味で今の生活になったような気がします。
19時前に家に帰ってきて、子どもを寝かしつけるまでが21時半くらい。なので、その間は仕事の返信が鈍る時間なんですが、そこから書斎に戻るためにもお酒を飲まないようにしている、という側面はありますね。
佐藤さん、やっぱりストイックですね!
いや〜もっとストイックな人は経営者の中にもっといるじゃないですか。
僕の感覚では、甲子園に出場したような気持ちで上場したら、大谷選手みたいな人がもっとたくさんいたような感じです。「あれ〜全然通用しなかった、もっと頑張らなきゃ」って、周りの経営者と話すと感じますね。
なるほど。
ステージごとに違ったチャレンジが見えてくるということでもありますね。それでは、本日いろいろお聞きできればと思います。よろしくお願いします!
テーマ①デジタルヘルスケアの進化と健康管理の未来
健康管理法として、食事、運動、睡眠と3つに分けられると思うのですが、佐藤さんはこのあたり何か取り組まれていますか?
子どもが生まれる前までは、月100〜200kmほど走っていました。
今はパーソナルトレーニングを定期的に受ける程度ですね。
いや、すごいですね!月に100〜200kmも走ってたんですか!
それで、今はパーソナルトレーニングを受けていらっしゃる。それってどういう目的ですか?
体調の面というよりはストレス発散というか、メンタル面を整えるという意味でやっていました。やっぱり椅子に座って考え事しててもうまく行かないので、事業のことを考えるために走る、みたいな感じですね。
逆に、これまでずっとスポーツしてきた鈴木さんは
今「運動したい!」ってならないんですか?
いや、ならないですね!
仕事だから運動していた感覚というか。
今でこそときどき走るようになったり、サウナに行くようになったりとしましたが、健康のためというよりは無心になるため、心の健康のためですね。
そうなんですね・・・。
今思い返せば、事業の調子が良いときはあまり走ってなかったんです。調子が悪くなると走ってましたね(笑)
それはおもしろい!
でも、これで佐藤さんが走り始めると周りがざわつきますよ(笑)
筋トレもそうですけど運動って必ずやった分だけ成果が出ますよね。ベンチプレスは頑張っていれば重量が上がるようになるけど、事業はそう行かない。だから経営者の中には、精神的な安定剤として筋トレをするという方もいますよね。
なるほど。
あ、ちなみに今は時間がないので走ってないってだけです(笑)
(笑)
他に睡眠はいかがですか?
すごく規則正しい生活をしているように見えますが。
短くて5〜6時間、長くて7時間は寝るようにしています。
私も同じです。
最低6時間寝ないと、体調良くないな〜っていう。
ここであえてデジタルヘルスケアに絡めるならば、10年くらい前からいろんな睡眠のガジェットを試していますね。当時はiPhoneが出始めの頃で、枕元に置くものや寝言を記録するもの、直近だとApple Watchとか。
でも、あんまりあてにならなくて(笑)
ぐっすり眠れているのにちゃんと眠れていないですよって言われるんですよね。
(笑)
実は事前質問で、「佐藤様や鈴木様が取り入れているデバイスがあれば教えてほしいです」っていうものがあって。まさにこの答えですね(笑)
佐藤さん、睡眠系のガジェット導入早かったんですね!10年前!
大体健康系のガジェットは試してきたんですけど、あんまりあてにならないですね(笑)
意外な答えです(笑)
実は、僕らも会社全員で腸内細菌検査とガジェットを使った活動量や睡眠の質をモニタリングしていて。活動量は僕がやっぱりダントツで高いんですけど、睡眠の質が悪いって言われる。それがストレスになってきてしまって、つけるのやめちゃいました(笑)
すごいわかります!
睡眠って、ぐっすり眠れているはずなのに波形が変だって言われて、おかしいなって。引き続きいろんなものを試してはいますが、いまいち納得できるものに出会えていないです。
どこまで定量化できるのか、正しいものを測れるのかが難しいですよね。
走る時の速さや筋肉量は定量化しやすいけど、睡眠の質は定量化しにくいので、納得いかない評価をされるとストレスが溜まってしまう。
まさにそうですよね。どこまでデジタルで管理するべきなのか。
僕はやっぱりフィーリングが大切だと思っていて、自分自身が良いと思えるかが重要だと思うんです。人にとって良い・悪いがある中で、健康の定量化はなかなか難しいし、個人差がありますよね。
うん、うん。
でも、そのうち多くの人が健康管理というものを、カラダノートさんやaubブランドを上手く活用してもらいながら取り組めるようになれば嬉しいなと思います。
テーマ②データで読み解く健康を楽しむ家族の取り組みと成功事例
次のテーマに移ります!
カラダノートさんの事業に絡めて、このテーマについて話したいと思います。家族にアプローチする取り組みとして、どんなサービスがありますか?
カラダノートのサービスは、妊娠・育児・子どもの記録が中心なのと、血圧のようなものを記録しているので、家族が軸になっているんですね。
例えば血圧で言えば、ユーザーさんの要望で自分だけでなく旦那さんや家族のものを記録できる機能を実装して、家族で健康を気遣うようなものを最初から作るようにしていました。
そう考えると、女性の方が健康の意識が高いんですかね?
圧倒的に高いです。
女性はもはや当たり前に健康意識を持たれています。
へー!そうなんだ。
確かに、私も思い返してみると、母親が一番家族の健康に気遣っていたなと思います。
共働き世帯が増えてきた中でも女性の方が健康意識は高いですね。
あとは「美と健康はつながっている」と考えると、女性はもともとその意識を持っているので。不健康だと美しくはないので、やっぱり健康意識が高まるのかなと思います。
なるほど。
そして、最近カラダノートさんでは法人向けサービスを展開されていますけど、健康経営みたいなところで他社さんはどんな意識で取り組みをされていますか?
そうですね…
やっぱりそこは行政からの指導があるので、やらないといけないからやっているところが多い気がします(笑)
すごい率直な意見をありがとうございます(笑)
本当に社員のことを気遣っているのであれば、もっと昔からやってるはずだと思うんですよね。
そうですよね。
僕、すごくそのあたり気になっていて。
当然家族は最小単位であると考えているんですが、会社も同じ船に乗っている家族だと思うんです。このあたり、もっと意識を変えていくべきだなってすごく思うんです。
ちなみに、鈴木さんは会社で社員の健康を気遣う場合、体調管理での指導やアドバイスをどこまで踏み込んでやっていますか?
私たちはそこまで大きい規模ではないので、社内メンバーでお互いに助け合うような雰囲気ができています。しんどかったら早めに言ってね、と言い合える組織の大きさというか。
今後、大きくなっていった時にどういうふうにすべきなのかは考えていますね。悩みを抱える従業員が出てきたときに、どうやって吸い上げられるかは仕組み化したいと思っています。
例えば夜ふかししすぎとか、あまり体調管理ができてなさそうな人ってAuBさんにはいないんですか?
それがいないんですよね、今のところ(笑)
ただ、これはわからないですよね。実際にサッカー選手でも二日酔いでくる人もいましたし(笑)
へ〜面白い。
そこに特に介入はなかったんですか?
昔の話ですが、プロサッカー選手は個人事業主。
かつ、パフォーマンスを出せたらOKだったんです。
でも今は世界が目前にあるので、体調管理をストイックにするアスリートがもうほとんどです。
確かに、大谷選手とか日本人なのにとんでもなくストイックで、あの姿をみると自分も頑張ろうってなりますもんね。
動機づけですよね。なので、このgoodchoっていうメディアをやっているんです。
例えば佐藤さんであったり、前回は精神科医の木村先生、女性経営者がどういうコンディション管理をしているのか、皆さんにとってのひとつの道標になったらいいなと思うんです。
なるほど。いいですね。
これが、アスリートとなると少し遠いんですよ。自分ごとにしにくいというか。
なので、佐藤さんやいろんな方の経験・体験・習慣を共有する場所としてこういう機会を設けさせていただいています。
納得です、すごく興味深いお話をありがとうございます!
テーマ③カラダノート流ウェルネスガイド:これから家族で取り組むべき健康的なライフスタイルの構築方法
さて、最後のテーマということで、これから家族で取り組むべき健康的なライフスタイルの構築方法、とのことですが、佐藤さん的のメソッドは何かありますか?
これは色々なところで言っているのですが、夫婦の会話の量を増やす。
かつ日常的な会話ではなく、アジェンダを用意して会話をするということです。
もやもやを残さないようにするのが主な目的ですが、お金のこと、教育、住環境、老後のこと・・・あえてするのは大変なので、月に1回でもいいから会話をしましょうと言っています。
そもそも、肉体的な健康以前に精神的な健康があるので、会話の量を増やすことが重要だと。カラダノートで調べたデータでも、幸福度に与える因子になっていたので、夫婦の会話の量は大事だと思っています。
いや〜やっぱりそうですよね。
僕も、よくない方向にいく大きな原因のひとつがストレスだと思っていて。そしてそのストレスの原因って、将来の話ですよね。まだきていない未来に対する不安、この先どうなっていくのか。その将来について、会話することで整理するって、すごく重要ですよね。
カラダノートとしてもサービスとしてやろうと考えているんですけど、なかなか万人ウケしないというか。どうしたら家族の会話の時間を増やせるのか試していますが・・・
すでに自社でやっていることとしては、子どもに関する情報を提供して、子どものことについての会話を増やしましょう、ということはやっています。
でも例えば老後のことについて、アジェンダ設けて会話しましょう、ということはちょっと難しいですね。
へーそうですか!
僕はそのサービス使ってみたいですよ!
うまくやりたいですね。
すでにやっていることをデジタルで普及させるということは進めやすいんですけど、形のないものを啓発からやるって大変だなと思っています。
その点でいうと、僕からの提案は「毎日どんなうんちが出たか夫婦で共有しましょう」ですね!
それは面白い!
僕の場合は、奥さんを呼んでうんちを見てもらいます。
最初は嫌な顔をされましたが(笑)
便って成績表で、良いうんちは健康の証なんです。そういう切り口で、家族の健康を気にしあう。
基本的に人は健康診断でしか自分の健康状態を見ないんですよ。でも毎日うんちを見ることは健康状態にアクセスするチャンスなので、ぜひやっていただきたいと思っています。
それは僕の課題と張るか、それ以上に難しそうな気がします(笑)
(笑)
いやいや、今日も興味深いお話をありがとうございました!
ありがとうございました!
編集後記
日常的に一緒に過ごす時間の多い家族。その家族の健康について、改めてどんなことができるのかいろんなことを考えさせられる1時間でした。私は幸いにも幼少期から大きな病気をすることなく、健やかに大きくなり社会に出ましたが、今考えるとそれは家族のおかげだったんだと日々痛感しています。
そして、その家族で取り組む健康管理は受け継がれていくもので、私も将来大切な家族ができたら、ちゃんと会話をして、時にはデジタルに頼りながら過ごしていきたいと思いました。
セミナー最後のQ&Aタイムでは、「デジタルがもたらしたメリットやデメリットは?」「経営者になってからの健康意識や働き方の変化は?」など、ヘルスケア領域で活躍する佐藤さんへのご質問をたくさんいただきました。
佐藤さんの言われていた、会話の量を増やすことは、家族だけでなく会社のメンバーや友人と取り組める健康管理法だと思いますので、早速会話量を増やしていきたいと思います。皆さんもぜひ、実践してみてください!