こどものうちは何かと体調不良が多いですよね。発熱や感染症は、原因が分かりやすいためすぐに病院へ直行できると思いますが、厄介なのは「なんとなくいつもに比べて元気が無い」「普段よりちょっとだけ食欲が無い」といった、表面的な変化が現れにくい体調不良。しかも、こどもは自分に起きていることをうまく表現できません。
アレルギーや便秘、うつ症状はこどもにもよく起こる体調不良ですが、実は腸が関係している可能性があります。「え?なぜ腸が?」と思う方もいるかもしれませんが、腸は、食べたものの消化・吸収を担う器官である以外に、 身体にとって有害な生体外異物を排除する器官でもあるのです。つまり、腸を健康に保つことは全身の健康のために必要なことなのです。
今回は、自身も1児父であるAuB株式会社研究統括責任者の冨士川に、こどもの腸ケアについて伺います。
全身の免疫の70%が腸に由来。腸ケアが体調管理の1丁目1番地と言われている理由。
大人もこどもも、腸の機能は変わらないと思って大丈夫なのでしょうか?
はい。大人だろうがこどもだろうが、腸の機能は変わりません。
そうなると、消化・吸収における役割を大きく担っているということですよね。
おっしゃる通り食べたものの消化・吸収における役割を担っています。食べたものは、胃酸や消化酵素によって小さく分解 =消化され、小腸で吸収されていきます。ただ。腸の役割はそれだけではありません。
え?ほかにもあるのですか?
全身の免疫の約70%が腸に由来しているんです。これはなかなか知っている人は少ないですよね。
70%?しかも免疫って体調管理においてはかなり重要なはずなのに、腸に由来していることは知りませんでした。
なので、腸が全身の健康を担っている。腸ケアは体調管理の1丁目1番地と言われている所以はこれです。
なるほど。
それだけでなく、 例えば体内に入り込んだ病原菌は、ある程度胃酸などによって殺されることはご存知の方も多いと思うのですが、腸に届いた病原菌やその毒素が人体に悪影響を与えるかどうかは腸内環境次第だったりするのです。
めちゃめちゃ重要じゃないですか…。
だからこそ、こどものうちから腸を整えておくことは非常に大切なわけですよね。
幸福感をもたらすために必要なセロトニンの90%は腸で作られる…
免疫機能以外にも、腸を整えておくメリットが実はあったりして・・・。
お、気づいてしまいましたか。
教えてください…!
山本さんは 「やる気」を起こさせたり、 「幸福感」 をもたらすホルモンをご存知ですか?
セロトニン…ですか?
さすがです!この、セロトニンというホルモンは、実は約90%が腸でつくられることが、最新の研究でわかっています。
きゅ、90%!?!?じゃあもう腸の調子が悪いとやる気も幸福感もほぼ低下してしまうってことじゃないですか。
はい。こういったことから、腸と脳は非常に密接な関係にあるため、腸は「第2の脳」と呼ばれているわけです。
つまり、お子さんが何かしらの不調そうだと感じたら、 腸ケアから始めることがおすすめということですよね。
はい、腸ケアをしない理由がありません。
特に、2歳から6歳の、腸内環境のバランスが決める年代においては、腸ケアはむしろ必須です。育児の中でも特にコミットして欲しいことかもしれません。
最初は大袈裟かと思いましたが、腸をベストな状態にしておくことが全身の健康につながりると考えると、全然大袈裟じゃないですね。
便秘はもちろんのこと、精神的な不調にも腸が大きく関わってきますので、お子さんが心身共に健やかに成長できるように腸ケアの優先度を上げていきましょう。