監修者
冨士川凛太郎 | AuB株式会社 取締役兼研究統括責任者 

1980年生まれ、熊本県出身。2008年、豊橋技術科学大学大学院工学研究科博士後期課程修了。IT企業や経営コンサルティング会社にて、企業の研究資源の事業化に携わる。2016年からAuBの立ち上げに参画。これまで40競技950人以上のアスリートの腸内細菌を検査し、その腸内細菌データを元に人々のベストコンディションを実現させるための研究に取り組む。体力医学会、臨床スポーツ医学会、農芸化学会、分子生物学会、腸内細菌学会など数々の学会で研究成果を発表。

子育てをしているといろいろ起こりますが、パパ・ママにとって大きな悩みのひとつは、「子どものうんちが臭いこと」ではないでしょうか。 

「いつもと違ってうんちが臭い…」 

「食事や生活習慣でケアできることはあるの?」 

という思いを抱くパパ・ママは必見!うんちが臭い理由や、対処方法についてお話します。 

子どものうんちが臭い理由は、便秘や腸内環境の乱れ? 

おむつを替えるとき、子どものトイレについていくとき、どうしても気になる子どものうんちの匂い。あれ、なんかいつもと違う匂いがする…臭い…という時は、以下の理由を考えてみましょう。 

理由①子どもが便秘気味である 

一歳を過ぎて母乳から離乳食に完全に切り替わり、運動量も増えると、子どものうんちの量も増加します。ところが、この頃になると子どもはトイレに行きたがらず、我慢する傾向にあります。これは、子どもに自我が芽生えるため。 

そして幼少期に行うトイレットトレーニング(トイレに行く練習)を無理強いする、トイレで失敗をするなどを経験すると、「トイレに行きたくない!」と思ってしまう可能性があります。 

参考:子どもの便秘には親子で一緒に腸活を*便秘の原因や解決方法は? 

実際、子どもの便秘の大きな理由は「トイレを我慢する」ため。子どもがトイレに行きやすい環境を整えてあげることも大切です。 

理由②腸内環境が乱れている(食物繊維・水分不足) 

子どもの腸内環境は、食事や水分量にも影響を受けやすくなります。 

離乳食で食物繊維が不足している、1日を通して水分量が少ないなどの理由で、腸内環境が乱れている可能性があります。(水分量が少ないことは、便秘の原因にもなります。) 

子どものうんちが臭い…を軽減させる!親子で一緒にできる腸活は? 

①食物繊維の多い食材を積極的に取り入れる 

野菜や果物、海藻類に多く含まれる「水溶性食物繊維」は、腸内細菌のエサとなり、うんちの量を増やしてくれるプレバイオティクスです。 

離乳食やおやつ等でしっかり摂ることを意識しましょう。 

子どもがジュースやお菓子ばかり食べて、ご飯を食べてくれない…という方は、徐々に量を減らすなどで工夫してみてください。 

<腸活におすすめのおやつ> 

・焼き芋/干し芋 

・蒸したカボチャ 

・雑穀入りおにぎり 

・果物(バナナ、りんご、みかんなど) 

・ココア 

・ヨーグルト 

参考:子どもにおすすめな腸活おやつ4選!市販のお菓子は与えていいの?選び方も解説 

②オリゴ糖を取り入れる 

水溶性食物繊維と同じく、オリゴ糖も腸内細菌のエサとなるプレバイオティクスです。腸内の良い菌の代表格でもある、ビフィズス菌の好物で、お腹の調子を整えてくれます。 

オリゴ糖を豊富に含む食材は、ハチミツ※、大豆、たまねぎ、ごぼう、ねぎ、にんにく、アスパラガス、バナナなど。これらの食材を食事に取り入れてあげてもいいですし、オリゴ糖シロップなどをうまく活用してみましょう。ヨーグルトに入れるだけで簡単に取り入れられますよ。 

※ハチミツは免疫機能が未発達である1歳未満の子どもに与えないでください※ 

水分をしっかり摂る 

大人だけでなく子どもも同様に、水分摂取量が少ないと便秘になりやすくなります。あまり水を飲みたがらないという子どももいますが、できれば1日を通して少しずつでもいいのでお水を飲ませるようにしましょう。 

朝起きてすぐ、外での運動後、お昼寝の後など、コップにお水を入れて渡してあげてくださいね。 

この時、ジュースではなくお水をあげましょう。ジュースだと砂糖の過剰摂取につながる可能性があります。 

③トイレ環境を整える 

うんちが臭い理由は、便秘。そして便秘の大きな理由は「トイレを我慢すること」です。 

子どもがトイレに行きたがらない理由は、トイレでの失敗体験やトイレ環境への嫌悪感など。そのため、子どもが安心してトイレに行きやすい空間を作ると「トイレを我慢する」ことも減るでしょう。 

例えば、トイレ掃除をこまめに行う、芳香剤などで工夫するなどで環境を整えてみてください。 

そして生活習慣も大切です。早寝早起きなど、規則正しい生活を送ることも意識してみてください。毎日同じ時間に起床し、食事の時間も合わせて、寝る直前の食事を避けましょう。 

また、朝の時間にゆとりを作り、トイレにすわる習慣をつけることが重要です。(もちろん無理強いしたり、長い時間かけたりすることは避けてください) 

子どもが上手くうんちができたらほめてみてくださいね。 

まとめ|子どものうんちが臭い…そんな時こそ、腸活でおなかをケアしてみよう! 

子どものうんちの匂いがいつもと違う、なんだか臭い…となると、心配になりますよね。そんな時は、普段の食事や子どものトイレの回数、我慢していないかどうかを振り返ってみましょう。 

また、親子で一緒にうんちを観察する、観便も大切です。 

参考:うんちを見て自分の腸と体の状態をチェック!理想のうんちの状態は? 

腸内環境の状態をダイレクトに表すうんち、理想的なものはどんなうんちなのかを親子で学び、毎日のモニタリングを行うのも立派な体調管理です。 

また、大人と違って、子どもの便秘の原因は「我慢すること」が大きな理由です。トイレに行くことを子どもが我慢してしまわないように、トイレに行きやすい環境や生活習慣、時間作りを意識してみてくださいね。 

腸にはさまざまな腸内細菌が住んでいて、日々の体調や食事によってそのバランスは変化します。うんちの匂いにはそのさまざまな腸内細菌の情報が含まれているので、体調のバロメーターだと言えます。日々お子様のうんちをよく観察して匂いを嗅いで、親子で体調管理しましょう!