監修者
石川 泰弘 | 日本薬科大学 スポーツ薬学コース特任教授 博士(スポーツ健康科学)、温泉入浴指導員(厚生労働省規定資格)、睡眠改善インストラクター(日本睡眠改善協議会認定資格)

2006年より㈱バスクリンの商品及び企業PR・IR活動を行ない「きき湯シリーズ」を大ヒット商品にした。 「お風呂博士」として TV・雑誌・Web・ラジオなど多くのメディア活躍。 ラグビー日本代表チームをはじめ多くの日本代表チームやトップアスリートに対して入浴や睡眠を活用したリカバリーに関する講演を行ったり、大塚製薬株式会社にて入浴や睡眠に水分や栄養を加え「健康」に関する様々な情報を発信。 2022年 4月より文部科学大臣認定 職業実践力育成プログラム漢方アロマコース運営委員長に就任。 著書に「バスクリン社員が教える究極の入浴術お風呂の達人(草思社)」「バスクリン社員がそっと教える肌も腸も健康美人になる入浴術26(スタンダードマガジン)」「たった一晩で疲れをリセットする睡眠術(日本文芸社)」「たった一晩で疲れが取れる睡眠法(ゴマブックス)」がある。

腸活関連の食品・生活雑貨を販売する AuB(オーブ)(株)は、“お風呂シーズン”の冬を迎える今、 お風呂の専門家に、健康に優しい「ぬるま湯のススメ」について聞きました。

“お風呂教授”に聞いた「ぬるま湯」のススメと入浴のコツ

日本薬科大学の特任教授で、「温泉入浴指導員」の資格を持つ “お風呂教授”の石川泰弘(いしかわ・やすひろ)さんに聞きました。

Q.入浴の適温は何度ですか?

睡眠や疲労回復、ストレスの緩和、冷え解消のためには、38~40度程度の「ぬるめのお湯」に、15分を目安にゆっくりと入浴するのがオススメです。ぬるめのお湯で入浴すると、体をリラックスさせる副交感神経が刺激され、血管が広がり、血液循環が良くなります。血管の拡張は、入浴後の熱放散機能を向上させるため、スムーズな入眠につながります。
加えて、給湯温度の設定を低くすることでガスの使用量が抑えられ、光熱費を節約できるメリットもあります。ぬるま湯は、「健康にも家計にも優しい」入浴方法です。

Q.温度が分からない場合、適温はどう測ればいいですか?

「適温=心地よいと感じる温度」です。湯船に足を浸けて、熱いと感じる温度は交感神経が優位になるため、睡眠や疲労回復には不向きです。適温は人によって異なるので、まずは足を入れてみて、湯温を調整していきましょう。

Q.ぬるいお湯だと体が温まらないのでは?

全身が温まるのは、皮膚で感じる温かいお湯に加えて、温まった血液が循環するからです。そもそも血液が体を循環するのに1分程かかると言われています。熱いお湯は3分程度と短い時間しか浸かることができません。そうすると、体の表面は温まっているけれど、体の芯までは温まっていない状態になるので、早く冷えてしまいます。
ぬるめのお湯だと10分程度と長く浸かることができ、体の芯まで温まります。そのため、風呂上がり後の体温が下がりにくく、ポカポカ感が持続します。
体を温める作用のある、生薬や炭酸を使った入浴剤を使うのもオススメです。温浴効果を高めて保温するので、冷え対策にも良いです。

Q.真冬は寒すぎて、お風呂に入るのもおっくう

脱衣所や風呂場で暖房機器を活用するのはオススメですが、昨今は光熱費の高騰も気になります。
服を脱ぐ前に、風呂場の冷えた床に、湯船のお湯をかけると効果的です。風呂蓋を開けるので、浴室内も温まります。浴室を温めることは、急激な温度変化によって体調不良が起こる「ヒートショック」の予防にもつながります。