今や、プレゼンティーズムの代表例でもある「便秘」。たかが便秘と思われがちですが、日常生活での不快感だけでなく、ひどい場合は仕事のパフォーマンスの低下などにもつながるなど、決して見過ごせない症状の1つです。
今回は、腸のプロフェッショナルであるAuB株式会社研究統括の冨士川と、管理栄養士として、日々多くのお客様の腸や食事に関するお悩みを解決するためのアドバイスを行っている清水に、便秘の人の特徴について伺います。
冨士川さんはこれまで相当な人の腸の悩みを聞いてきたと思いますが、共通する特徴ってありますか?
たくさんありますが、多くの人に共通している特徴で言えば「発酵食品と食物繊維が摂取できていない」「水分不足」「生活リズムが一定ではない」の3つです。
おお、私も全く一緒の答えです。
清水さんは管理栄養士としてアスリートや学生のサポートもしていて幅広い年代の悩みを聞いていると思いますが、やはり同じなんですね。
もう少し掘り下げて言うのであれば、食物繊維不足のほとんどが「自分では摂れているつもりでも思っている以上に足りてない」ケースです。
わかる。「ちょっと野菜食べておけば大丈夫でしょ」と勘違いしている人がかなり多い。
そう言う意味だと水分不足も同じで、自分が思っている以上に摂取量が少ない。
時々、水分を摂るのが苦手という人もいたりしますが、やはりそういう方は便に課題を感じているケースが多いですね。
あえてこの3つ以外の特徴を挙げるなら何かあります?
運動不足ですかね。最近では「デスクワーク」が多い人から多く相談を受けます。冨士川さんはどうですか?
年末年始の時期に相談をいただく方のほとんどが
・お酒の飲み過ぎ(利尿作用による水分不足、肉や油のおつまみ多くなりがち)
・甘いものの食べ過ぎ(糖類を多く摂り過ぎるのも腸内細菌にとって良くない)
・生活リズムの乱れによる排便リズムの乱れ
ですね
年末年始は忘年会・新年会でお酒の多量摂取はもちろんのこと、脂質の摂りすぎや生活リズムの乱れが顕著に現れる時期ですよね。これは腸内環境にとって本当に良くないです。
クリスマスやお正月の楽しい行事は揚げ物やケーキなどの洋菓子を食べる機会が増えて、野菜や海藻・穀類など食物繊維豊富な食材を食べる機会が減りがちですよね。僕も注意しないと。
就寝時間・起床時間の乱れも注意ですね。たとえば朝起きるのが遅くなって、朝ごはんを欠食するなど生活リズムが乱れると便通のリズムも乱れがちです。
なんとなく「お酒=健康に悪い」になりがちですが、実際のところ清水さんはどう思います?
この時期ってどうしても付き合いの関係上避けたくても避けられない人も多いのかなと思うのですが。
確かに冨士川さんは忘年会多そうですね。
ギクっ・・・
大前提アルコールは過剰に摂取すると腸内フローラのバランスを崩す原因になりますし、生活習慣病のリスクを高めます。
令和6年度から開始予定の健康日本 21(第三次)において、「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」として、「1日当たりの純アルコール摂取量が男性 40g以上、女性 20g以上」が示されており、これ以下の量に抑えることが大切です。
参照:飲酒量の単位 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
40gか・・・気をつけよう。
ただ、過剰摂取を避ければ問題ないですし、お酒それ自体よりもお酒と一緒に食べるものが不健康なものになりがちということはあるかと思います。揚げ物、お肉、油が多めの食べ物…おつまみとして最適なものがあまり腸に良くないパターンが多いんですよね
それはありますね。また、お酒を飲むとその分尿として排出されますので、水分不足になりがち。できるだけ野菜や魚のおつまみや発酵食品を選択して、お水も沢山飲みながらお酒を飲むと良いと思います。
そこまで注意できていれば、お酒を嗜むこと自体は悪いことではないですね。忘年会や新年会くらいは美味しいものも食べたいと思うので、普段から腸内環境を良くしておくことや、お酒を飲んだ翌日は特に腸のケアに取り組めれば問題ないかと。
そうですよね!よかった!
なんだか自分を正当化している気が・・・
そんなことないです(強気)
ちなみにビールに多く含まれるプリン体が原因で起こる痛風ですが、通風症状のある高尿酸血症患者は短鎖脂肪酸産生菌が少なかったことが報告されています。お酒好きこそ腸ケアを行っていきましょう。
は、はい!