「お酒の飲み過ぎは、体調に良くない」
おそらくほとんどの人が認知していることかと思います。アルコールを大量に摂取すると、水分や電解質の腸から体への吸収が悪くなり、水分と電解質の排出量が増えるだけでなく、糖や脂肪の分解・吸収が低下し、下痢を起こしやすくなるのです。
とはいえ、年末年始は忘年会・新年会シーズン。本当は飲みたくなくても、雰囲気的に参加しないと気まずいし…といった葛藤を抱えている方も多いかと思います。
そこで今回は、AuB研究統括責任者の冨士川に「どうしても飲まなければいけない」という方にオススメのお酒を紹介してもらいました。
腸内環境にとっての本当の敵はアルコール自体ではなく、飲酒による睡眠の質の低下や生活リズムの崩れ
そもそもどうしてお酒は腸内環境に悪いのでしょうか?
安部さんは、お酒を飲むとどうなりますか?
どうなる…?トイレが近くなる?
正解です。
アルコールには「利尿作用」があリます。つまり、摂取しているお酒以上の水分が出ていってしまうということです。腸内環境には一定の水分が必要なのですが、お酒を飲むことにより水分が不足しがちなることがよくないのです。
なるほど。
トイレが近くなる以外に、お酒を飲むことによる変化はありますか?
うーん…。二日酔い?
それもありますね。
もう少し解像度を上げると、飲酒によって睡眠の質が低下したり睡眠のタイミングがずれてしまったり、生活リズムが崩れてしまうのも腸内環境にとって良くないです。
確かに、深酒をすると間違いなく翌日の朝に響きますし、飲み会の日って寝るのが遅くなりがちですよね。
そうなんです。
もちろんアルコール自体も、腸のバリア機能を弱めて免疫細胞を乱す原因になるという報告もあるので良くは無いのですが、それ以上に前後の生活リズムの乱れであったり、お酒の場で「何を食べるか」が与えるデメリットも大きいんですよ。
お酒の場で何を食べるかですか?
お酒と一緒に好んで食べられるようなお肉や揚げ物などのおつまみは、あまり腸内環境に良くありません。
「まさかあのお酒が…?」意外と存在する、腸を整えるお酒4選
とはいえ、やっぱり付き合いもあるので、お酒の場に顔を出さないわけには…
わかります。私も立場上、色々なコミュニティーの忘年会・新年会に参加する予定が詰まっています。
そうなると、この時期は腸ケアを諦めるしか無いんですかね…
あきらめないでください。
お酒が好きな方や、忘年会シーズンでどうしてもお酒の場に顔を出さないといけない方に、腸ケア視点でおすすめなお酒があります!
本当ですか?教えてください!
まず1つ目はクラフトビールです。
え?ビール飲んでいいんですか?絶対にNGな筆頭かと思っていました。
あまり知られていませんが、クラフトビールは濾過されきっていないビール酵母や麦などの原料成分が含まれています。それらは腸内環境にとって有益な可能性が高いので、普通のビールよりは良いと思います。
確かにビール酵母って乾燥してサプリにもなっていたりしますよね。
2つ目はワインです。
おお、これも意外です。
ワインに含まれるポリフェノールは、腸内細菌にとって良い影響を及ぼすことが知られています。特に腸内の乳酸菌やビフィズス菌の増殖を促すという報告もあるんです。
クラフトビールとワインが飲めたら、大満足です!
3つ目は、焼酎の食物繊維割りです。
食物繊維割りってなんですか?
食物繊維が多めのお茶や、食物繊維が顆粒状になった商品を焼酎で割って飲むことです。馴染みが無いかもしれませんが、直接的に腸内環境に良い成分を摂取しながらお酒を飲む1つの方法だと思います。腸ケア視点では、これが1番オススメですね。
自宅で飲む際は試しやすいかもしれませんね。
4つめはマッコリです。
確かに!マッコリは乳酸菌が発酵したお酒ですもんね。
そうなんです。それだけでなく、実は食物繊維も含まれているんですよ。
初めて知りました。
糖質も比較的多いので、注意は必要ですが、腸内細菌にとっては良い成分が多く含まれています。
これだけあれば楽しく飲み会に参加できそうですね。
一番大事なことを言い忘れていました。
なんでしょう?
水をしっかり飲むことです。
確かに…。
お酒ではありませんが、適度に水を飲みながら、お酒を嗜むことが最も重要かもしれません
おつまみの選定が飲み会参加の鍵?
ちなみに冨士川さんは、飲み会の席でどんなことを意識しているのですか?結構色々な飲み会に参加されていらっしゃいますよね?体調等崩されたりしませんか?
まず乾杯はクラフトビールです。
さすが。
そのあとは、焼酎の水割りに顆粒の食物繊維を入れて飲みます。合間にはできるだけ水を飲みつつ。
徹底していますね。
クラフトビールと焼酎を飲んでいれば、「あの人飲んでいないよね」といった変な見られ方もしませんし、オススメですよ。
次回からそうします。
そしておつまみはできるだけお肉や揚げ物は避けて、お魚、お野菜を中心にします。お野菜も海藻、根菜、豆など食物繊維が多いものをよく食べるようにして、できれば発酵食品も入れたいですね。
ついついお肉を食べすぎちゃうので、気をつけます。
あとはもう意識の問題ですが、できるだけ深酒にならないようにして、翌日いつも通り起きれるように心がけています。ただ、どうしても深酒してしまって翌朝二日酔いになったりすることももちろんあります。そんな時はいつも以上に腸活するようにしています・・・
翌日以降のリカバリーが大切ということですね。