腸活に興味を持つ方が増えるなか、「発酵食品がいいと聞くけど、サプリもあるし、どう使い分けたらいい?」という声がしばしば聞かれます。実際、食事から自然に取り入れる方法と、手軽なサプリメントにはそれぞれの利点・特徴があります。この記事では、麹調味料とサプリのメリット・デメリットを整理し、目的別の使い分け方をご紹介します。

麹調味料を選ぶメリットとデメリット

麹調味料には以下のメリット・デメリットがあります。

【メリット】 

継続しやすい
普段の料理に味噌や醤油、塩麹などを使うだけで、自然に腸活を継続できます。

多様な栄養素が含まれる
ビタミン、ミネラル、酵素、発酵代謝物など、サプリメントでは再現しにくい複合的な栄養が摂取可能です。

おいしさアップ
発酵による旨味や香りが食事の味わいを豊かにします。

【デメリット】

塩分・糖分の摂りすぎリスク
味噌や醤油、甘酒などは塩分や糖分が多い場合があるので注意が必要です。ただし、麹の旨味を生かして使用量を控えめにすることである程度回避することが出来ます。 

加熱で失活
加熱調理時に酵素や一部の有用菌が失活することがあるため、使用方法に工夫が求められます。加熱調理後に仕上げとして加えたり、ドレッシングや和え物など、生または低温で使用するレシピで取り入れるのがおすすめです。 

サプリを選ぶメリットとデメリット

サプリメントでの腸活には以下のメリット・デメリットがあります。

【メリット】

特定の効果を狙いやすい
乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌など、目的に応じた菌株を高濃度で摂取可能です。 

即効性が期待できる場合も
旅行先での下痢対策や抗生物質服用時など、短期集中での腸内ケアに有用です。 

手軽さ
シーンを選ばずに摂取できるので手軽に取り入れることが出来ます 

【デメリット】

成分が単一になりがち
食品が持つ複合的な栄養素は補いにくい。 

品質のばらつき
サプリメントによっては菌数や菌株の表示が不明確な場合があり、信頼性に注意が必要です。 

長期服用のコスト
継続的に摂取すると、経済的負担が生じる可能性があります。 

こんな時は麹調味料がオススメ!

毎日の健康維持
大きな不調がない場合、発酵食品中心の食生活(朝の味噌汁、漬物、納豆など)なら無理なく続けられます。 

食事全体の栄養バランス向上
麹調味料を使うことで、ミネラルやビタミンなど、幅広い栄養素が摂取できます。 

味を楽しみながら腸活
塩麹や醤油麹は素材の旨味を引き出し、塩分のコントロールにも寄与し、継続しやすさが向上します。 

こんな時はサプリの力も活用!

急な腸内環境の乱れ
旅行先での下痢や、抗生物質服用など急な腸内トラブル時に、特定の菌株をサプリで補充すると早期回復が期待できます。 

便秘改善を短期集中で狙いたい場合
難消化性デキストリンなどの食物繊維サプリは、便通改善に効果的。麹調味料と併用することも可能です。 

医師や管理栄養士の指導下の場合
特定疾患改善のため、プロバイオティクスサプリが推奨されることもあり、専門家の指導の下での利用が安心です。 

まとめ

「麹調味料を使った発酵食品」と「サプリ」のどちらが適しているかは、目的により異なります。日常的な腸活には、塩麹や味噌、醤油など伝統的な発酵食品を食事に取り入れる方法がおすすめです。一方、便秘や急な腸内乱れなど、短期的かつ特定のケアが必要な場合は、サプリメントの活用が有効です。大切なのは、基本的には“食”を軸としながら、必要に応じてサプリを併用するバランスの取れたアプローチです。ご自身の目的や体調、継続のしやすさを考慮して最適な方法を選んでください。 

引用文献

*1: Harvard Health Publishing. (2025). How to get more probiotics. Harvard Medical School.

*2: Hempel, S. et al. (2012). Probiotics for the prevention and treatment of antibiotic-associated diarrhea: a systematic review and meta-analysis. JAMA, 307(18), 1959-1969.