食物繊維不足は、大人の問題だと思っていませんか?
2019年に発表された調査では、7~14歳の日本人における食物繊維摂取量は1日あたり16.7g(中央値)と非常に少ない量という結果が出ています。
そもそも、食物繊維が不足すると、どのような影響があるのでしょうか?こどもの食物繊維不足と言われても、それが我が家のこどもに与える影響がわからなければ、自分事化しにくいですよね。
そこで今回は、自身も1児の父であるAuB株式会社 aub for kidsブランドオーナーの山本に、こどもの食物繊維不足について伺います。
昔と比べて食物繊維の摂取量が減ったと言われている要因はなんですか?
大きく2つで、1つ目は昨今の食事が欧米化してきたこと。2つ目が加工食品が増えたことが主な要因です。
便利になったことの引き換えに、食卓から食物繊維が消えたということか…。
安部さんは1日にどれくらい食物繊維を摂取することが望ましいか知っていますか?
知ってますよ!24g以上ですよね!
さすがです!日本人の食事摂取基準2020年版では、成人は1日に24g以上の食物繊維摂取が望ましいとされています。
それに対して、こども(7~14歳)は16.7gですよね?結構乖離がある印象です。
そうなんです。こどもの食物繊維不足はかなり深刻なんです。腸ケアをおすすめしている我々にとっても、これは大問題です。
ヨーグルトを頑張って食べさせているご家庭も多いと思いますが、食物繊維の重要性はまだまだ普及しきれていないんですね。
ヨーグルトは免疫力アップや便秘対策のために有効な食べ物として広く知られてきましたよね。実際、腸活としてヨーグルトや乳酸菌飲料、乳酸菌食品で善玉菌を摂る人が増えていることはとても良いことです。
うちの子も、毎朝ヨーグルトを食べています!
ただ、せっかく摂取した善玉菌も、エサである食物繊維がなければうまく育ちません。菌を生き物として考えれば、エサがない状態がどれだけ深刻かわかると思います。
パワーが出なくて活躍できない…?
その通りです。なので食物繊維をしっかり摂ることは、本来善玉菌を摂取することとセットでないといけないのです。
食物繊維さえ摂ればいいんですか?
食物繊維を摂ると、善玉菌が活性化し、善玉菌が作る短鎖脂肪酸が増えます。この短鎖脂肪酸が腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発化し、腸の粘膜から鉄やカルシウムなども吸収されるわけです。
食物繊維を摂取できなければ、せっかくの努力が最大化されないと思うと、恐ろしいですね。
そうでしょ?そういう意味でも深刻なんです。
なんとなく、食物繊維=便秘予防というイメージがある気がします。
それも間違いではありませんが、そのイメージだけが先行している現状に危機感を感じています。便秘だけでなく、もっともっと重要な栄養素にも関わらず過小評価されている気がして。
どういうことですか?
免疫の7割は腸で働くと言われています。そしてその腸において重要なのが善玉菌を摂ることと、育てること。善玉菌たちが人間にとって健やかな活動をするために、食物繊維は必要不可欠。ということは、言い換えれば食物繊維は免疫にも重要な役割を担っているということです。
免疫に影響を与えると聞くと、なんだかドキッとしますね。
そして腸内環境のバランスは、2~6歳で定着すると言われていますから、こどものときから摂取する習慣がつくと一生の健康につながるわけです。
もしかすると、今後さらに研究が進んで、食物繊維の重要性が高まってくるかもしれないですね。