・2023年9月21日(木)開催
・タイトル:「時間の使い方で人生が変わる」元サッカープロフェッショナルレフェリー 家本政明さんに聞く “もったいない時間の無くし方”
・登壇:家本政明(元サッカー国際審判員・プロフェッショナルレフェリー)
・モデレータ:鈴木啓太(AuB株式会社 代表取締役)
goodcho live now!では、ご活躍されているビジネスパーソンをゲストにお招きし、日々のコンディション管理やメンタルヘルスについてお話しています。
今回は、元サッカー国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明さんをゲストにお迎えしました。その様子を一部抜粋してお届けいたします。(当日の様子は参加者限定で全ての様子をアーカイブ配信しております。)
「かなりハード!?」プロフェッショナルレフェリーに求められる基準とコンディショニング
本日はサッカー国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明さんにお越しいただきました!
本日はよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします!
まずは、プロフェッショナルレフェリーについてお伺いできればと思います。
レフェリーってすごく走りますし、頭を使って情報判断しなければいけないので、もしかしたら選手よりも大変な部分あるかと思いますが、その辺りはいかがでしょうか?
選手とレフェリーそれぞれ大変な部分があると思うので、どっちが大変とかはなく、お互い様という風に思っています。
なるほど!
トークテーマに行く前にレフェリー時代のコンディショニングについて教えてください!
レフェリーになるための資格テストみたいなものもあるんですよね?
あります!
資格をとるには体力テスト、競技規則テストの2つの資格テストがあり、これに受かる必要があります。
あまり知られていませんが、昇級する際にはテストなどもあったりするんですよ。
ちなみに、昇級テストに関して、国際レフェリーがトップですよね?
国際レフェリーと初級(4級)レフェリーでは、フィジカル的な部分での差はあるんですか?
天と地ぐらいの差はありますね(笑)
国際レフェリーになるための基準を知りたいです!
国際レフェリーの基準はJリーグ担当と基本一緒なので、Jリーグ担当が出来るレベルであれば大丈夫です。
私の時代と変わっていなければ、40メートルを主審であれば6秒、副審は5.8秒を6本連続で走り、2回タイムを超えてしまうとアウトのような種目が何個かあり、それをクリアする必要がありますね!
副審のほうが早くないといけないんですね!
リアクションがクイックネスでなければいけないので、速く設定をされているようです。
ただ、持久力系の種目に関しては主審のほうが基準が高かったりするので、役割によって必要なスキルが変わります。
レフェリーもかなり体力的な面も求められますね…
中々、こういった側面は一般の方には伝わらないですよね。
そうなんです。
こういった情報をちゃんとオープンに発信していくべきだと思います。私が辞めた時はそういったことも出来ればと思っていたりもしました。結構大変なんですよ、レフェリーって(笑)
この辺りを話したらとても長くなりそうですね(笑)
居酒屋で話しましょう(笑)
そうですね(笑)
それでは、早速本題に入ります。まずはトークテーマ1。
「時間を有効に活用するための日常的な習慣」についてお伺いしたいのですが、プロフェッショナルレフェリーを引退された家本さんは、今どんな生活をされているんでしょうか?
暇してますよ(笑)
もう老後みたいな生活をしています。
10/11(水)に本が出るのですが、その執筆で最近まで忙しかったんですけど、ここ最近は本当に暇です(笑)
暇なわけないと思いますが…(笑)
例えば時間の使い方に関して、大切にしている考えなどあったりしますか?
これは育ったバックボーンが影響していると思うのですが、よく両親が「時間はお前の命だ。命が惜しいのか、惜しくないのか?惜しいなら有効に使え」と言っていて。
休憩やリラックスも重要ですが、意味もなくダラダラ過ごす時間は何も生み出さない、時間を無駄に過ごすことはもったいないという風に教えられ、いつの間にか自分もそのように感じるようになっていました。
なので、割とせっかちでワーカホリックで忙しいことが好きな人間です。
ただ、忙しすぎても心も体も落ちてしまうので、午前、午後に30分何もしない時間を意図的に設けたりしています。
何もしない…?
30分仮眠したり、散歩したり、妻と話したりするなど、フレキシブルな時間にし、この間は絶対に仕事をしないという感じにしています。
後は、家がガチャガチャしていることが嫌いなので、朝早く起きて、掃除や洗濯、後は子供の送り迎えなど、6時前におきて9時ぐらいまではそういった所に時間を使ってきました。これは現役時代から10年ぐらいずっと続けています。
面白い!
意図的に30分フリーの時間を作ることで、身体の余白と心の余白を両方担保するということですね。これは取り入れたいです。
そうなんです。
暇あればずっと動き続けちゃうので。
家本さんはお子さんもいらっしゃると思いますが、同じように時間については厳しく言ってるんですか?
宿題などやることが終わっていない状態でダラダラとYoutubeやゲームをやっていると、それやって頭が賢くなる?友達と仲良くなる?とは言いますね。
やることやってる時は即答で「終わっている」と言うんですけど、終わっていないといやいやYoutube閉じて、やり始めるという感じです(笑)
家本さんに言われたら怖くて私ならすぐYoutube閉じます(笑)
でも、日常的な習慣は、長い期間やり続けてることが重要ですよね。
家本さん自身、子供の頃から続けているからこそ、今があると感じました。
そうですね。
おそらく今日ご参加いただいた方々を含め、多くの方は僕のように自由に時間を使える職業ではないと思うのですが、例えば通勤の30分をYoutubeとかを見て過ごすのではなく、勉強になるような本を読むなど、そういった積み重ねは自分に返ってくるので、意図的に有効活用をしていくと良いかと思います。
なので、ぜひ皆さんも定期的に1日をスケジュールなどを見直し、「自分にとって意味のある行動ってなんだろう」と振り返りをしてみてください。
それがよく言われるタイムマネジメントですよね。
僕はそこに大事なのがプランニングだと思っているんですよね。
要するにマネジメント(管理)はあってもいいですが、そもそもプラン(計画)があってこそのマネジメントなので、自分のプランニングから考えるのが大事だと思います。
啓太の言う通りだと思う。
プランとか自分のありたい姿、未来像のようのもの。例えば私だったらもっとたくさんの人を喜ばせたいという思いがありますが、そのためには自分の能力を高める必要があり、もっと行動する必要があると思っています。
なので、常にまだ能力が足りないと思っているからこそ、そこを磨く必要があり、無駄な時間を過ごしている暇はない、もったいないと思っちゃうんです。
それでは次にトークテーマ2です。
「”もったいない時間”を無くすための、優先順位付けやタイムマネジメントのコツ」について教えていただきたいのですが、惰性のマインドをチェンジする方法ありますか?
私もYoutubeやTikTokを見ないことはないんです。
ただ、見る時間を3分なら3分、5分なら5分と明確に決めています。
Apple Watchとかで3分後にアラートなどをして、終わりを決めるようにすることでダラダラすることを制限かけるのはいいですよ。
後は、ダラダラを感じた瞬間に3秒ルールを設けており、例えば「やばい、早くお風呂入らなきゃ」「早くメールを送らないと」など、モヤモヤを感じた瞬間に3秒ゲームという形で3秒をカウントし、3秒以内に動かなったら妻に1000円払うようにしています。
3秒ルール面白い
床に落としても3秒以内なら平気みたいなやつですね(笑)
そうそう(笑)
実際、動きはじめさえしちゃえば行動できるんですよ。
エアコンや電気って、つけた瞬間が一番消費電力がかかるかと思いますがそれと一緒です。
このあと冬が来ると思いますが、寒くなってくると起きた瞬間に起き上がれない場面とかありますよね。
その時は、再度3分後とか5分後にアラームを起きると決めるとかしているんですけど、その瞬間にカウントして起きなきゃダメですね。
何か1つ身体を動かすアクションを入れると良いですよ。
例えば、腕を上げるとか。腕を動かすことがスイッチになるんですよ。あらかじめこのアクションをしたら動く、みたいなマイルールなどを決めても良いかもしれないですね。
タイムマネジメントのコツとして非常に面白いですね!
ちなみに優先順位付けに関してはいかがですか?
仕事、家族など色々と種類があるかと思いますが、私は全部ひっくるめて「重要性」と「緊急性」の2軸で切ります。
緊急性が高くて、重要性が高いものをファーストチョイス、緊急性が高くて重要じゃないものをセカンドチョイス、重要性が高くて、緊急性がないものをサードチョイスで優先順位を決めています。
その中で私だったら、ファーストプライオリティをビジネス、家族にして対応をしていますね。
なるほど!
予め決めていることですね。
そうです!
決めることで、その場で考えることがなくなります。
考えることが人間はかなりエネルギーを使うので、ロジックを決めておけば判断を素早くすることができます。以外と多くの人は緊急でも重要でもないことをダラダラやっていることが多いです。
変な質問になってしまいますが…
例えば、後輩から仕事の相談があったときと、奥さんからの相談が同時にあった際はどのように対応しますか?
まずは、それぞれどのくらいの時間がかかり、重要なのかをヒアリングするところから対応しますね。
「その案件を相談しないと、あなたがどれぐらい苦しむのか」
「どれぐらい大変なのか」
「何分ぐらい相談すれば解決する可能性があるのか」
を聞き、答えが出てこない場合は一旦相手に考えさせるといった感じです。
ヒアリングが出来たら、ビジネスのほうがまずは優先なので、状況を踏まえながら対応すると思います。
緊急ではないけれども重要なものって多くあり、あまり手をつけられていない人も多いかと思いますが、そういったものはどのように時間を作っていますか?
ビジネスなら案件の内容にもによりますね…
例えば、私にとってホットな話題としては「審判会のトレーニング環境」について。結論から言うと全くと言ってトレーニング環境が整っていないんですけど、それを解決するのはお金も時間も相当かかる。こういった今すぐ解決できないものもあったりしますよね。
ただ、すぐ解決はできないけど、プラニングをすることはできるので、その目的に向けてコツコツと進めるようにはしています。
自分自身の思考を整理して、自分がやるべきことは何をすべきかというのを考えると、タイムマネジメントとか優先順位付けがうまく進んでいくのかもしれないですね。
それでは最後のトークテーマです!
「日々のプレッシャーとストレスに対する向き合い方」について、レフェリーの時にもたくさんプレッシャーやストレスのかかる場面があったかと思いますが、こちらはいかがでしょうか?
向き合わない!
え…?向き合わない?
例えば、啓太ならよくわかると思うけど、浦和と鹿島の決勝戦を想定してみると、全てが難しいシーンしか思いつかないじゃないですか(笑)
ただ、自分にその試合をマネジメントする能力があると認められているからこそ、アポイントが入ると思っています。なので、ネガティブの方向に意識を向けるのではなく、どうやってこの試合を楽しもうか、どうやってこの試合の良さを引き出そうか、面白いことを常に考えるようにしていましたね。
そうすると、ハラハラ・ドキドキ・不安がワクワクに変わるんです。
会社の上司とか同僚から、何かしらネガティブな発言とかプレッシャー、圧を感じる言葉を投げかけられることもあると思いますが、いい意味で聞き入れない。
言葉の力、特に負の言葉は力を大きいので、向き合わない、受け流すようにしていました。
また、ネガティブな声は、何万何千万、あるいは何億人の中の一定数でしかなく、実はほとんどの人が気にとめていないんです。以外とスルーしても生きている、向き合うほうが苦しいと思っています。
対自分に向けたプレッシャー、対人から受けるプレッシャーなど、色々な種類がありますが、自分の機嫌を決めるのは自分なので、人から何を言われても関係なく、自分が楽しいと思ったら楽しいですから、そういった自分自身でごきげんのポイントを決めることが重要ですよね。
そうなんです。
よく上司が部下に「期待しているぞ」と声をかけることがあると思いますが、僕にとってあれは、無責任で毒を蒔いている感覚なんです。
期待とか不安を正面に感じるのではなく、やるかやらないか、そしてやるんだったら楽しんでやる、やらないなら自分にはできませんと伝えられるような状態になるといいですよね。
私だからこそわかる部分もあると思いますが、家本さんは普通の人で考えれば、プレッシャーかかるようなこととかたくさんあったかと思いますが、そういった考えがあったらこそ、プレッシャーを感じさせない働きに繋がっているんですね。
ありがとうございます。
後は不安や嫌なことにぶつかった場合、メモを書き出すという風にしています。
なぜ嫌なのか、もしかしたら嫌われたくない、失敗したくない等、理由を深掘りするようにしています。そうすることで冷静になっています。書き出すことで構造化され、可視化され、自分が何をすべきかが見えてくるので、不安などがあっても何をすべきかが見えてきて、落ち着いて対応することに繋がります。
なるほど勉強になりました。
本日はありがとうございました!
ありがとうございました!
編集後記
家本さんの時間を無駄にせず有効活用する取り組みは、ウェビナーを聞いていた皆さんも非常に参考になったのではないでしょうか?
ダラダラしている自分に対して「3秒ルール」をかし、無駄な時間を減らすことは私自身も実践がすぐ出来るものだと感じたので、取り組んでいこうと思う内容でした。
家本さんのように無駄な時間を無くし、日々成長する人材になりたい方は、ぜひ本日のウェビナーの内容を実践してみてください!