誰しもが1度は取り組んだことのあるダイエット。

そのダイエットの最大の敵は「食べたい」「運動したくない」の2つの欲求ではないでしょうか?この2つの欲求に打ち勝つストイックな人がダイエットに成功している。そんなイメージをお持ちの方も多いのではと思います。

しかし、ダイエットの敵であるこの2つの欲求、実は腸内細菌のせいかもしれません。

今回は元サッカー日本代表で、AuB代表の鈴木に「ダイエットと腸活」について伺います。

AuB Keita Suzuki

食べたい欲求と腸内環境が関係しているというのは、いまいちピンとこないのですが、本当なのでしょうか?

はい、本当です。実は、とある腸内細菌が「食欲抑制ホルモン」を増やしている可能性があるのです。

とある菌というのは…?

ビフィズス菌です。

そうなんですか?ビフィズス菌ってそれなりに認知度の高い菌だと思いますが、食欲抑制ホルモンと関係しているなんて知りませんでした。

あまり知られていないですよね。ビフィズス菌が作る酢酸が、食欲を適切に抑えてくれる可能性があると言われているのです。

※参照:The short-chain fatty acid acetate reduces appetite via a central homeostatic mechanism

腸活は腸内細菌を味方につけることとも言えるかなと思うのですが、ダイエットの味方にもなってくれるということなんですね。

うまい!菌を味方につけるっていいですね。ちなみに、食欲を抑える効果だけでなく、腸内細菌が「運動したい」という欲求を増強することも示唆されています。

どういうことですか?

酪酸菌の一種が作る代謝物が神経回路を刺激し、運動したときに脳で分泌されるドーパミンを増加させていたという実験結果があります。腸内細菌が作用して、運動時に出るドーパミンを増やしているということです。もう少し分かりやすく言うと、腸内細菌が運動するモチベーションを高めているということですね。

※参照:A microbiome-dependent gut–brain pathway regulates motivation for exercise

分かりやすい。

ちなみに、肥満のマウスの腸内細菌を、肥満ではないマウスに移植すると、移植されたマウスも肥満になったという結果もあります。

え?どうしてですか?

肥満マウスの腸内フローラは、食物からより多くのエネルギーを吸収するということです。つまり、同じものを食べても太りやすい腸内細菌とそうでない腸内細菌があるということですね。

それ以外に、肥満な人とそうでない人の腸内細菌の違いはあるのでしょうか?

いろいろあるのですが、一例を挙げると肥満な人は短鎖脂肪酸少ないです。リーキーガットと呼ばれる症状も、これからきています。

なるほど…。より重要性が理解できました。

いろいろ述べましたが、つまり腸内細菌は食欲と運動のモチベーションをコントロールしているということなんです。

ダイエットしていた時の自分に伝えてやりたい…。逆に言えば、腸が整っていないと、食欲が抑えられない可能性もあるし、運動のモチベーションも上がらない可能性があるってことですよね。恐ろしい。

ダイエットしている時って「食べない」「食べる量を減らす」ことがほとんどだと思うのですが、それによって菌の摂取量や種類が減ってしまうと、本末転倒になってしまう可能性があるんですよね。

意味もなく減らすことは逆効果なんですね。

はい、どんな時も「菌を摂る」「菌を育てる」という、腸活王道は外せません。そして、痩せるためには、腸内細菌を味方につけましょう!食欲を抑え、運動意欲を高め、脂肪の吸収を抑える効果が期待できます。