運動は大切だと分かっているけれど、時間がない。ダイエットを続けるのは難しい。そんな毎日を送る私たちに、嬉しいニュースがあります。
日常の歩行そのものを「消費しやすい体の動き」に変えていくアプローチが注目されているのです。それが、機能性インソールを活用した足からのアプローチ。足指の活性化と重心移動の最適化を通じて、全身の筋活動を底上げしてくれます。
「たかがインソール」と思うかもしれませんが、実は研究データが示すその効果は驚くべきもの。痩せに”つながりやすくなる”メカニズムを、科学的根拠と共に見ていきましょう。
キュボイドサポートインソールとは

キュボイドサポートインソールという名前を聞いたことはありますか。これは、かかとの前方にある小さな骨である「立方骨(キュボイド)」を重点的に支える設計の機能性インソールです。
一般的なインソールといえば、土踏まず(内側縦アーチ)を下から持ち上げる構造のものがほとんど。でも、キュボイドサポートインソールは全く違うアプローチを取ります。立方骨を支点としてサポートすることで、足本来の動きを妨げにくく、足裏アーチの形成・維持を助けてくれるのです(*1)。
しかも薄型で、靴内のフィット感を損ないにくいという点も嬉しいポイント。普段履いている靴に入れるだけで、歩行の質が変わってきます。
「楽になる」が必ずしも良いとは限らない

インソールを選ぶ時、つい「楽になるもの」を求めがちです。でも実は、これが落とし穴になることがあります。
クッション性を過度に高めたり、土踏まずを強く支えたりするタイプは、確かに楽に立てます。でもその反面、筋や腱が本来果たすべき役割を代替してしまい、足の機能低下につながる可能性が指摘されているのです。
キュボイドサポートが注目されるのは、まさにこの「支えすぎない」設計にあります。足が自ら働く余地を残しながら、必要なサポートだけを提供する。そんなバランスの取れたアプローチが、長期的な健康につながると考えられています。
足指が動き出すと、体全体が連動し始める

足指が地面をとらえやすくなると、面白いことが起こります。ふくらはぎ、太ももの前後の筋肉といった下半身の筋肉が連動しやすくなるのです。それによって筋肉の使用量が増えることで普段の何気ない歩行がトレーニングへと変わっていきます。足は体の土台であるため、その土台がしっかりと機能することで、上に積み重なった体全体のバランスが整い、本来の動きを取り戻していくのです。
研究が示す、驚きの変化

高崎健康福祉大学の実証実験では、興味深い結果が報告されています。キュボイドサポートインソールを週5日以上・3か月使い続けた結果、体重・体脂肪の減少、筋肉量の増加が多数で確認されたというのです。
もちろん結果には個人差がありますが、注目すべきは「日常動作を活用する」という点。特別な運動プログラムや厳しい食事制限を必要とせず、普段の生活の中で変化を実感できることが、継続のしやすさにつながっています。
取り入れ方のコツ

機能性インソールを取り入れる際は、段階的な導入が大切です。最初の1〜2週間は使用時間を段階的に増やしていくことをおすすめします。
普段使わない筋肉が働くことで、軽い筋肉痛を感じる場合があります。でもこれは実は良いサイン。今まで使われていなかった筋肉が使えるようになった証拠でもあるのです。
体の声に耳を傾けながら、無理のない範囲で続けていくこと。それが長期的な変化につながる秘訣です。
まとめ・結論
キュボイドサポートインソールは、足指の活性化と足のアーチの機能的な働きを引き出すことで、歩行1歩あたりの筋活動を高め、エネルギー消費の効率化に寄与する可能性があります。無理のない「ながらトレ」として継続しやすい点も魅力です。安全に配慮しながら、日常の一歩から体の変化を積み上げていきましょう。
引用文献
(*1) Sakthivel, S., Maria Francis, Y., G, S. N., K V, S. D., & Dhakshnamoorthy, N. (2024). Anthropometric Analysis of Cuboid Bones in a South Indian Population. Cureus, 16(1), e51622. https://doi.org/10.7759/cureus.51622